歴史的な肉牛不足により、米国では牛肉の卸売価格は過去最高水準に達している。
テキサスの名門バーベキュー店から中西部の高級ステーキチェーンにいたるまで、業界全体が大きな打撃を受けている。一方で、Texas Roadhouse(テキサス・ロードハウス)やOutback Steakhouse(アウトバック・ステーキハウス)のような低価格帯の事業者は、このコスト高の局面を乗り越え、成長を続けている。
セントルイス連邦準備銀行の4月のデータによると、ステーキ用肉の価格は1年で17%上昇し、1ポンド(約450グラム)あたり13.02ドル(約2069円)となった。牛ひき肉も前年から19%上昇し、1ポンドあたり過去最高の6.90ドル(約1096円)に達した。
テキサス・ファーム・ビューローによると、米国の牛の飼育頭数は75年ぶりの低水準に落ち込んでいる。干ばつ、人手不足、牧場用地の減少、運営コストの高騰が背景にある。
ワシントン・ポスト紙によると、テキサス州の卸売ブリスケット(牛の胸肉)価格は前年同期比で約28%上昇している。ヒューストンを拠点とするRoegels Barbecue Co.(ローゲルズ・バーベキュー)は現在、1ポンドあたり5.56ドル(約883円)を支払っており、メニュー上のブリスケット価格を6%引き上げ、1ポンドあたり35ドル(約5562円)にした。
同紙によると、テキサス州セギーンのBurnt Bean Co.(バーント・ビーン)もブリスケット価格を1ポンドあたり38ドル(約6038円)に引き上げた。近いうちに営業日を週1日のみに短縮せざるを得ない可能性もある。
ワシントン・ポスト紙によれば、今年閉店したテキサス州のバーベキュー店には、Brett's BBQ Shop(ブレッツBBQショップ)、Kirby's BBQ(カービーズBBQ)、Sabar BBQ(サバーBBQ)、Wright on Taco & BBQ(ライト・オン・タコ&BBQ)、Sweetie Pie's Ribeyes(スウィーティー・パイズ・リブアイズ)が含まれる。
中西部と中部大西洋岸地域では、801 Chophouse(801チョップハウス)が4月に連邦破産法11条の適用を申請した。この影響は、バージニア州からコロラド州までの8店舗に及んだ。
すべてのステーキ業者が苦境にあるわけではない
すべてのステーキ関連事業者が苦境にあるわけではない。アウトバック・ステーキハウスを所有するブルーミン・ブランズは5月6日、業績予想を上回る決算を発表した。調整後希薄化後1株利益は予想の0.58ドルに対して0.67ドル、売上高は10億5970万ドル(約1684億円)となり、同社株は1日で40%上昇した。
テキサス・ロードハウスも売上高が12.8%増加し、16億ドル(約2542億円)を超えた。既存店売上高は7.1%増、来店客数は4.5%増だった。同社の最高財務責任者マイケル・ベイレンは、消費者が豚肉、鶏肉、低価格の牛肉部位など、より安価なバリューメニューに移っていると述べた。これは、高級店が容易にはまねできない戦略である。



