経営・戦略

2026.05.29 11:00

米アマゾンが物流版AWSを開始、FedExやUPSを脅かすフルスタック戦略の正体

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Amazonはロジスティクスネットワークを最初から持っていたわけではない。時間をかけて構築し、莫大なコストを投じた。しかしその投資は、世界最高水準の実力に支えられていた。同社はすでに、ソフトウェア、物理インフラ、大規模運用を組み合わせた複雑なシステムを設計し運用する方法を知っていた。実力が先にあり、資産は後から生まれた。

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第3の要因は、その一手が中核を強化するかどうかである。多くの拡張は、本来支えるはずだった事業を弱めてしまう。ところがAmazonの場合は、逆の力学が働いている。ネットワークを流れる量が増えるほどコストは下がり、配送速度は向上し、プライム体験はより魅力的になる。新事業は中核の横に並ぶのではない。中核を強化する。

このように「実際のニーズ」「根底にある実力」「中核を強化する効果」の3つの要素が重なると、結果は単なる新たな収益源を超えることが多い。それは事業そのものの首尾一貫した延長になる。

賭け金は上がっている

金融サービスやヘルスケアのような産業は、テック企業がスタック内での位置を拡張するにつれて大きく変化している。バリューチェーンの一部を支配するために築かれた企業は、誰かのスタックの中で事業を展開することになるかもしれない。

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UPSやFedExのような企業は、この物語では受け身の傍観者ではない。彼らは、どこに集中し、どう投資し、どの関係を優先するかについて、意図的な選択をしている。ある1社がシステムそのものを定義し始めたとき、他のすべての企業は、そのシステムとどう関わるかを決めねばならない。

具体的には、UPSは2025年、売上におけるアマゾンへの依存度を戦略的に引き下げる方針を明確にした。これによってUPSは最大級の顧客からの売上を減らすことになるが、どこで勝負するかが変わるわけではない。おそらくそれは、ヘルスケアのような市場セグメント──現在Amazonのスタックの外側にあるセグメント──から生まれるだろう。

FedExとUPSはいずれも、今後数カ月で重要な戦略的選択を迫られる。スタックを上り、顧客と需要を駆動するデータにより近づこうとするのか。あるレイヤーでの役割を深掘りし、より大きなエコシステムの一部としてさらに不可欠な存在になるのか。あるいは、もはや自分たちが制御しないシステムに参加する新たな方法を見いだすのか。

フルスタック思考はテック巨大企業だけのものではない。それは、自社の事業を捉える別の視点から始まる。自社が本当に得意なことは何か、周囲では価値がどこで生まれているのか、どの部分のシステムを当たり前としてきたのかを見直す。そこから道が開ける。すべてのレイヤーを所有する必要はない。自分がいるスタックを理解すれば、次にどこで勝負する必要があるのかを意図的に決められるようになる。

forbes.com 原文

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