レイオフ後の自責と羞恥
だからこそ彼女は、いまこそ「セルフ・コンパッションは羞恥を和らげる解毒剤だ」と言うべきだと語る。
私は、解雇がより大きな組織的・経済的な転換によるにもかかわらず、その経験を自分の内側に取り込み、自責や羞恥、無力感を募らせた働き手に話を聞いてきた。
デイビッドによれば、感情の敏捷性は、そうした負のスパイラルへ落ちていくことに抗うところから始まる。
それは「自分には、拠って立つべき『自分自身』という揺るぎない土台がある」という思考様式だと彼女は言う。そして、曖昧で混乱した時期であっても、自分自身を心理的に支え、地に足をつけ、いまここに在り続ける術を学ぶことの重要性を説く。
この重要スキルを培うためにリーダーができること
残された側として後始末に当たるリーダーや管理職に対しては、彼女が「認知の狭窄」と呼ぶ状態に陥ってはならないと戒める。認知の狭窄とは、難しい会話を避けたり心のシャッターを下ろして感情を麻痺させてしまったりして、チームへの配慮や共感を欠いたまま(感情を排して)単なるタスク処理や手続き作業のモードに入ってしまう状態を指す。
その代わりにリーダーたちには、EQ(心の知能指数)と感情の敏捷性を高めるための別のアプローチを試すよう促した。
「これは実現可能か?」
組織再編、変化、不安定さにさらされる局面では、自分の行動が将来なりたい「リーダーとしての自分」や「人間としての自分」に相応しいものかどうかを自己評価すべきだ、とデイビッドは説明する。
「この自身への問いかけを避け続けたら」と彼女はリーダーに内省を促しつつ尋ねる。「それは、なりたい自分に近づくことになるだろうか?」
企業がAIや効率性、株主からの圧力を軸に再編を急ぐなか、職場やキャリアにおいて地に足をつけてキャリアアップを成功させる能力は、感情の敏捷性である。
変化は常に起きる。
あなたには、不確実性に向き合いながら、自分のキャリアだけでなく部門全体の成果までも安定させる役割が求められている。
そんなときは、圧倒的なプレッシャーにキャリアを左右されるのではなく、立ち止まって内省し、心の中を整理する時間を持ち、いまの現実(そう、不確実性さえも)を受け入れることだ。そして、次に起こることに向き合う勇気とレジリエンスを育み、将来の自分が誇れるような行動を日々、意図的に選び取っていこう。


