選択を左右するもの
政策は食品の成分を変えられるが、消費者の行動を変えることは、それよりはるかに難しい。食品メーカーは、消費者が製品を買い続けると確信できれば着色料の除去や、より意味のある変更に前向きになるだろう。市場は、世論調査で人々が言うことではなく人々が実際に買うものに反応する。
私たちは以前にも同様の経験をしている。ゼネラル・ミルズ(General Mills)が2016年にシリアル「トリックス」から人工着色料を除去したとき、古い顧客からは「天然色素では見た目や懐かしさが変わってしまう」と不満が寄せられ、子どもたちはすぐに青と緑のピースがないことに気づいた。1年も経たないうちに、鮮やかな色は復活した。
この経験から得られる教訓は、「人々が着色料不使用の食品を食べない」ことではない。「味や価格、ブランドアイデンティティは成分表示よりも強い力を持つ」ということだ。子ども向けに設計された食品では、なおさらである。
私たちは食べるという行動を通じて、単に食品を摂取しているのではない。何十年にもわたって設計されてきた嗜好を消費しているのだ。健康的な選択肢を簡単に選べなければ、それは一般的な選択にはならない。
政策への示唆
食品着色料禁止への幅広い支持は、たとえその施策が健康悪化の根本的な要因に対処していなくても、目に見えるものを標的にすることで、ささやかな改革がいかに支持を得られるかを示している。
政策立案者は目に見える成果を好む。説明しやすく、称賛されやすく、問題を生み出したシステムを脅かすことがほとんどないからだ。
いわば、これは栄養の「劇場」だ。可視性は高いが、影響は小さい。
着色料の禁止は、大胆に見えて、世論調査で支持され、困難な作業は後回しにするタイプの政策だ。そして、「後でやる」は往々にして「決してやらない」という意味になる。
親や政策立案者が着色料禁止を出発点ではなく解決策として扱うことにはリスクがある。砂糖、ナトリウム、マーケティング、価格設定、健康的な食品へのアクセスといった、より難しい問題はほとんど手つかずのままだからだ。


