2026.05.26 12:30

移動手段や経路を見直す旅行者が増加 中東情勢の混乱で

フランス・パリ北駅に停車する高速列車ユーロスター。2025年2月23日撮影(Getty Images)

この傾向は、鉄道予約サイト、トレインパルのアルバロ・ウングレアン部長によっても裏付けられている。同部長は、英国からの旅行者による欧州の鉄道予約が急増していることを明らかにした。昨年4月以降、英国人によるフランスの鉄道予約は前年比98%増、英国と欧州大陸を結ぶ高速鉄道ユーロスターの予約は前年比25%増加している。これらの数字は、消費者が身近な場所で、信頼性が高く柔軟な旅行を求めるようになってきていることを示している。

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米紙ニューヨーク・タイムズによると、経済の先行き不透明感や航空運賃の高騰、不安定な地政学的情勢などを背景に、米国人の旅行計画に変化が現れている。英調査会社ユーガブが先月実施した世論調査では、最近の情勢を受けて旅行計画を見直した米国人は24%に上ることが明らかになった。米国からの海外旅行者数は3月に2.1%減少し、先月もその傾向が続いた。英航空調査会社シリウムのデータによると、7月の米国発欧州行きの航空便予約数は前年同月比で10.5%減少している。各種旅行代理店によると、旅行計画の完全な中止というよりは、延期が増えているという。

米ブルームバーグ通信は、米国発欧州行きの航空券が高騰していることから、目的地を変更する米国人旅行者が増えていると報じた。航空運賃が前年比15%程度上昇する中、米国人は旅行計画を中止するのではなく、マイレージや格安航空券を活用して行き先を決めている。また、旅行時期を先送りする旅行者もいる。例えば、パリの代わりにブリュッセル、ローマの代わりにナポリを選ぶことで、宿泊費を抑えることもできる。

旅行誌アファーによると、航路を再編するクルーズ会社もある。伊クルーズ会社コスタクルーズは、今年の冬期中東クルーズを全面的に中止し、船舶を地中海クルーズに割り当てた。スイスのMSCクルーズが運航するMSCワールド・ヨーロッパは、今年11月から来年4月にかけて、ペルシャ湾の代わりにカリブ海を航行する予定だ。

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結論として、欧米の旅行者と旅行会社は、新たな(そして願わくば一時的な)地政学的状況に適応しようとしており、多くの人が目的地や時期、移動手段を変更したり、近場で過ごしたりすることを選択している。

紛争が長引くほど、影響が大きくなることは明らかだ。それは旅行業界への直接的な影響にとどまらず、世界的な供給網の混乱が物価を押し上げることで、今夏の旅行が「当たり前のもの」ではなく「あればうれしいもの」へと遠のくことにもなりかねない。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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