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2026.05.26 08:00

教皇レオ14世がAIに警鐘 バベルの塔の再来と2級の人間の誕生

Elisabetta Trevisan - Vatican Media via Vatican Pool/Getty Images

Elisabetta Trevisan - Vatican Media via Vatican Pool/Getty Images

ローマ教皇レオ14世は米国時間5月25日、自身初となる回勅のなかで、AIや大規模な自動化、急速な技術進歩によって現代版の「バベルの塔」が建設されていると警告し、強欲や不道徳、人間の生命に対する敬意の欠如などによって特徴づけられる、黙示録的な世界観を共有した。

レオ14世は25日、『マニフィカ・フマニタス(壮大なる人類)』と題された83ページの回勅を発表し、資本主義、反移民政策、そして人間がもつ技術的な野心についての見解を述べた。この回勅はすでに、ここ数十年で最も勇敢な意見の1つであるとの評価を集めている。

回勅の大部分ではAIの急速な進歩と社会実装に焦点が当てられており、テック企業が政府よりも強大な権力を持ちつつあるとの見方が示されている。また、AI経済は奴隷制社会に類似しており、「2級の人間」を生み出すことになるだろうとの警告もなされた。

レオ14世は、新たな「バベルの塔」が建設されるリスクを示唆することで、最も重大な警告を発した。旧約聖書に登場するバベルの塔は、天まで届く塔を建てようとした人間の傲慢さと度を越した野心を阻止するため、神が1つの言語によって結束していた人間の言葉を混乱させ、互いに意思疎通ができないようにして団結を挫いたという物語だ。

人類が築きあげようとしているのは長期にわたって人間の管理下に置くことが不可能なシステムであり、最終的にはそれによって貧困層とエリート層との格差が広がり、互いの共感が損なわれ、人間の価値そのものに格差が生まれることになると教皇は指摘している。

その他にも、レオ14世は反移民政策に対する厳しい非難を表明し、現代の資本主義を痛烈に批判したほか、環境破壊は貧困層に対する道徳的な犯罪であると示唆した。

現代版「バベルの塔」

テクノロジーが発展し続ける中、教皇は人類が「新たなバベルの塔を建設するか、あるいは神と人類がともに暮らす都市を築くか」の選択を迫られていると述べた。聖書で語られるバベルの塔の物語は、神と肩を並べる都市を築こうとする人間の試みを伝えている。

「都市が傲慢さと自己完結の主張の上に築かれるとき、コミュニケーションは崩壊し、言語は混乱して人々はもはやお互いを理解できなくなる。その結果は団結ではなく、離散である。バベルの塔の物語はしたがって、どれほど壮大であっても、自己肯定から生じ、効率性のために人間の尊厳を犠牲にし、神の祝福なしに天に届こうとするあらゆる試みの限界を明らかにしている」とレオ14世は述べる。

「そうであれば、我々は『バベル症候群』、すなわち、弱者を犠牲にすることによって生まれる利益とそれぞれの違いを無くす画一性への傾倒、そして、たとえそれがデジタルな言語であっても、単一の言語が個人の神秘を含むすべてをデータやパフォーマンスに変換できるという思い込みを避けなければならない。今日ではそれは技術的な装いをまとっているものの、人間性を奪う危険性、つまり、神を排除し、他者を手段として利用するような未来を構想する危険性は、古く、かつ常に新しい誘惑なのである」

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翻訳=江津拓哉

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