欧州

2026.05.26 09:30

トランプ米大統領が命じたドイツ駐留米軍の削減、影響の規模は

ドイツのベルゲン近郊で行われた軍事演習。2026年5月20日撮影(Sean Gallup/Getty Images)

ドイツのベルゲン近郊で行われた軍事演習。2026年5月20日撮影(Sean Gallup/Getty Images)

米国のドナルド・トランプ大統領は、ドイツから5000人の米軍兵士を撤退させると表明した。この発表は、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相が米国のイラン攻撃を巡って批判的な発言をしたことを受けて行われたものとみられている。

だが、ドイツに駐留する米軍の規模を考えると、数千人の削減は、同国が海外における米軍の最大の受け入れ国の1つであるという地位を著しく変えるものではない。米国防総省によると、2025年12月時点で3万6000人以上の米兵がドイツに駐留していた。トランプ大統領は撤退規模が5000人をはるかに超える可能性もあると示唆したが、これに関する詳細は現時点では明らかになっていない。

今後6~12カ月かけて5000人の削減が行われるものの、ドイツは依然として海外における米軍の駐留地として第2位の規模を維持している。駐留米兵の数がドイツを上回るのは、5万4000人以上を擁する日本だけだ。3位は韓国で、約2万3500人を受け入れている。欧州連合(EU)内では、ドイツに次いでイタリアとスペインが最も多くの米兵を駐留させており、それぞれ約1万2500人、約4000人となっている。5位の英国には約1万人の米兵が駐留している。

第二次世界大戦後、ドイツは経済、文化、防衛の面で、欧州で最も親密な米国の同盟国の1つとなった。こうした背景とは裏腹に、両国はイラク、ガザ、そして最近ではイランへの軍事力行使を巡って、意見を異にしている。メルツ首相のような保守派の指導者や、かつてのアンゲラ・メルケル元首相でさえ、トランプ大統領とは大きな意見の相違を抱えてきたが、ドイツ政府は冷静に米国に対して反発し、強力な同盟国である同国に対しては、おおむね協調的な外交姿勢を維持してきた。だが、米国のイランとの対立が長期化するにつれ、こうした姿勢は揺らぎ始めるかもしれない。

米国防総省のデータが示すように、米軍は世界中に展開しているが、前述の主要な同盟国に重点を置いて人員を配置してきた。海外駐留米軍を地図上で示すと、これらの拠点は明確に際立っている。世界のほぼすべての国に米軍が駐留しているものの、大多数の国では駐留兵力は1000人未満、さらに一般的には100人未満にとどまっている。

欧州からの米軍の大規模な撤退はあり得るのか?

一部の専門家は、欧州からの大規模な撤退が可能だと考えているようだが、これは米軍にとって広範囲にわたる変革を意味し、仮に実現するとしてもかなり長期間にわたるプロセスになるだろう。

ドイツをはじめとする北大西洋条約機構(NATO)加盟国はここ数年、米国が特に防衛面で信頼できない同盟国と見なされるようになったことを受け、軍事力の増強に着手している。だが、こうした変化が起きている一方で、世界各国の米国の軍事力への依存は依然として根強く、もし米軍の大規模な撤退が現実のものとなった場合、従来の同盟関係のあり方について、関係各国に深刻な疑問が生じることになるだろう。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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