これらの研究が総じて示しているのは、満足を先送りする能力は生まれつき持っているか持っていないかの特性ではないということだ。むしろ鍛え上げられた姿勢のようなものであり、優先順位を定め、それが無意識の行動パターンとなるまで繰り返し実践することで形成される。
会社を立ち上げるために3年間社交イベントを断り続ける起業家は、何かを犠牲にして苦しんでいるわけではない。単に何が重要かを判断しているだけで、その一貫した選択によってその決断は確固たるものとなり、やがて困難な選択も困難には感じられなくなる。
これこそが、この習慣を「揺るぎないもの」にしている仕組みだ。繰り返すことで、結果が変わる。最初は自制を伴う努力だったものが、徐々にアイデンティティの表現へと変わっていく。常に困難な選択肢を選ぶ人は毎回歯を食いしばって決断しているわけではない。時間をかけて何が自然に感じられるかを再構築しているのだ。
2つの習慣に共通するもの
この2つの習慣には共通の基盤がある。それは、長期的には報われる目標を達成するために、継続的な努力に伴う摩擦であれ、報酬を先送りにする痛みであれ、ある種の短期的な不快感に耐えることが求められるという点だ。
2007年に発表された最初のグリット研究では、この資質はIQ以上に成功を予測する要素だった。これは重要な意味を持つ。つまり、持続的な努力がもたらす成果は、従来型の能力測定指標では完全にはとらえきれないということだ。継続的に取り組み、単調な作業に耐え、より困難な道を繰り返し選ぶことで相乗効果が生まれる。その効果はゆっくりと、そして多くの場合、目に見えない形で蓄積されていく。だからこそ結果が出るまでこれらの習慣を長く続けられる人は少ない。
結局のところ、「揺るぎないもの」こそが本質だ。これらは簡単にやめてしまうことができる習慣であり、実際ほとんどの人がそうしている。退屈になるとタブを切り替え、より良い選択肢が出てくればそれに飛びつく。そうした個々の判断に何の問題もない。問題はその「積み重なり」だ。
研究が示しているのは、長期的な成功はまさにそうした瞬間、つまり大多数の人がすでに次に移ってしまった瞬間に蓄積される傾向にあるということだ。


