これは些細な違いではない。現代のメディア環境は人々の注意をそらすように設計されている。つまり、退屈な作業に注意を向け続けられる人とそうでない人の差は縮まるどころか広がっている。プロジェクトが面白くなくなったといって投げ出すたび、その人は最後までやり遂げようとする人たちに優位を譲り渡していることになる。退屈に耐え、それを「やめるべきサイン」と見なさない習慣は、実は誰の目にも明らかでありながら見過ごされがちな競争上の優位性なのだ。
原稿を書き上げる作家や、1つの問いに何年も深く向き合う研究者、誰の目にも触れることのない地味なコードのデバッグに励むエンジニア──。彼らは同業の他の人より情熱的なのではない。ただ、続けることが困難な状況でもその場に留まり続けるための耐性をより強固に築き上げてきただけだ。
習慣2:簡単な選択肢がある時でも困難な方を選び続ける
2つ目の習慣は1つ目と密接に関連しているが、その働き方は異なる。1つ目が「持久力」に関するものだとすれば、こちらは選択の仕組みに関するものだ。具体的には、今すぐ手に入る報酬を意図的に後回しにして将来より有意義なものを得るようにすることだ。
多くの人は、この概念を米スタンフォード大学のウォルター・ミシェルによる1960年代後半に始まった有名な「マシュマロ実験」で知っている。実験では、未就学児に「今すぐお菓子を1つ食べるか、数分待って2つもらうか」という単純な選択が提示された。
ミシェルの長期追跡研究が示したのは、待つことができた子どもたちはその後、学業成績から社会性に至るまでさまざまな指標において良好な結果を示す傾向があったということだ。この発見は、自己制御とそれが達成に果たす役割に関する数十年にわたる研究のきっかけとなった。
さらに最近では、科学誌『プロスワン』に2019年に掲載された大規模研究において2200人以上の就業者を対象とした調査が行われた。その結果、努力を伴う根気強さ(研究では「グリット」の粘り強さの次元として測定)が収入や仕事の満足度、職業的地位といったキャリア上の成功に加え、継続的な専門能力開発への参加や生涯学習に対する前向きな姿勢といったキャリアを築くための行動とも有意に関連していることが明らかになった。
重要なのは、これらの関連性が認知能力や一般的な性格特性を考慮した上でも依然として認められた点だ。つまり、より困難で長い道を選ぶ習慣は知能だけでは説明できない成果を予測していたのだ。


