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2026.05.30 09:15

見かけの成果を優先しサイバー犯罪を助長する広告不正の不都合な真実

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「アドフラウド」をご存知だろうか。「広告不正」とも言われるが、広告主が不正を働くのではなく、広告代理店やプラットフォームがウェブ広告の広告費を不正に水増し請求する詐欺行為のことだ。調査によれば、ウェブ広告の担当者400人のうち4割弱の人が被害を経験している。ところが、積極的に対策しない担当者も少なくない。そこには社内評価に関わる事情があった。

不正検知サービス「O-PLUX」の提供などを行うCacco(かっこ)は、企業のウェブ広告担当者400人を対象に調査を行ったところ、アドフラウドについてよく知っている人は約50パーセント、名前だけは知っているという人を含めると、認知度は約76パーセントとなった。

また、アドフラウドの被害を経験した人は約37パーセント。「わからない」と答えた人が約13パーセントあった。アドフラウドを意識していなければ、気づかずに被害に遭っている可能性がある。

アドフラウドで不正に取られてしまった広告費の割合は、1〜5パーセントが約28パーセントともっとも多いが、5〜20パーセント騙し取られた割合もかなり多い。20パーセントとは相当な額だ。

これだけの被害がありながら、アドフラウド対策を積極的に行わない場合がある。調査では、じつに39パーセントが対策を見送っているという。その理由はKPI(重要業績評価指標)の悪化だ。アドフラウドによって見かけ上のCTR(クリック率)は上がる。対策をすれば本来のCTRが示され、KPIが下がる恐れがある。だから躊躇してしまうのだ。そうと知っていて会社に不正なデータを提出すれば、担当者が不正を働いたことと同じだ。

何より、アドフラウドは立派なサイバー犯罪だ。そのようなことをする広告代理店やプラットフォームはマトモな企業ではない。不当に奪った金が別の犯罪活動に利用される恐れも十分にある。明治大学サイバーセキュリティ研究所の齋藤孝道所長は、「デジタル広告収益の不正な獲得は、組織的な犯罪活動の資金源として機能してきた経緯があります」と指摘する。

そのため、「本件を現場の評価指標の問題に矮小化するのではなく、経営層主導のもとで、サイバーセキュリティおよびコンプライアンス上の重要課題として再定義すべき」と同氏は忠告している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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