「ホットジュピター」と呼ばれる灼熱の木星型太陽系外惑星に顕著な天候サイクルがあることを、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)を用いた観測で天文学者チームが発見した。
地球から約690光年の距離にあるこの系外惑星WASP-94A bでは、朝は雲が立ち込め、夕方は晴れ上がる天候パターンが見られることが、今回の研究で明らかになった。巨大系外惑星の大気のこれまでで最も明瞭な調査結果の1つを提供するとともに、科学者が系外惑星を探査する仕組みを再構築する可能性のある研究成果だ。
系外惑星WASP-94A bとは
WASP-94A bは、地球から見て顕微鏡座の方向にある主星の極めて近くを公転する巨大ガス惑星だ。顕微鏡座は北半球から観測する場合、5月は日の出の直前に南の空低くに見えるようになる。ホットジュピターは太陽を公転する水星よりも主星に近い軌道を公転しているため、大半の系外惑星に比べてはるかに高温で、より強力なエネルギー放射に晒されている。
WASP-94A bでは、温度がより低くなる夜側で鉱物の雲が形成された後、昼側の猛烈な暑さの下で消散することを、研究チームは突き止めた。米ジョンズ・ホプキンス大学の研究者が主導した今回の研究は、ホットジュピター型系外惑星における雲サイクルの初の検出例の1つとなる。研究内容をまとめた論文は科学誌Scienceに5月21日付で掲載された。
NASAによると、2014年に初めて発見されたWASP-94A bは、木星の約半分の質量を持ち、公転周期は約4日。WASP-94A bの主星は、互いの周りを公転運動する連星系をなす2つの恒星のうちの1つだ。
極端な天候の惑星
WASP-94A bは潮汐ロックの状態にあり、惑星が常に主星に同じ面を向けているため、もう一方の面は暗闇のままになる。これにより惑星全体で非常に大きな温度差が生じており、夜側と昼側の間の温度差は約350度に上ると、研究チームは推定している。
研究チームはJWSTに搭載された近赤外線撮像スリットレス分光器(NIRISS)を用いて、主星の前面を通過する(トランジット)間のWASP-94A bを分析した。これにより、惑星の「朝」と「夕」の大気の領域を個別に調べることができた。
その結果、顕著な違いが明らかになった。朝方側はケイ酸マグネシウムの厚い雲に覆われていた一方、夕方側は比較的雲のない空で、水蒸気の強い吸収線が見られた。



