1日の中で形成されて消える雲
この雲は、惑星のより温度の低い夜側で形成された後、強力な大気風によって昼側に向かって循環すると、研究チームは考えている。雲を形成する鉱物は、1000度を超える高温に晒された時点で蒸発する。このプロセスは地球で朝霧が晴れるのに似ているが、規模がはるかに大きいと、研究チームは指摘している。
曇天は数十年にわたり、系外惑星を調査する試みの妨げとなっている。論文の共同執筆者で、ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ特別教授のデビッド・シングは「ホットジュピター型の惑星で雲が広がっていることは、かなり以前から知られている。これが厄介なのは、曇りガラスの窓を通して惑星を見ようとするようなものだからだ」と説明する。「今回の研究により、視界を明瞭にできるだけでなく、雲が何からできているかや、惑星上を移動する間にどのようにして凝結したり蒸発したりするかなどを最終的に突き止めることが可能になる」
従来の前提を修正
ハッブル宇宙望遠鏡(HST)を用いたこれまでの観測では、WASP-94A bは木星の数百倍の量の酸素と炭素を含んでいることが示唆されていたが、この結果は現行の惑星形成理論とは食い違っている。だが、より明瞭なJWSTの最新データを用いることで、WASP-94A bの酸素と炭素の含有量が木星の約5倍にとどまることが判明した。今回の結果は既存のモデルとより良い一致を示している。
異なる大気領域を識別できることは、太陽系外惑星科学における大きな進歩となる。論文の筆頭執筆者で、現在は米アリゾナ州立大学博士研究員のサグニック・ムカルジは「ハッブル望遠鏡を使ってこの種の観測を行っていた時は、惑星全体が平均的に見えていたため、雲と大気からのデータが混ざり合って区別がつかなくなっていた」と話す。「JWSTを用いた今回のアプローチでは、観測を局所化できる。このおかげで雲サイクルを確認することができた」
研究チームは、さらに2つのホットジュピター型系外惑星のWASP-39bとWASP-17bでも同様の雲サイクルを特定した。これは、この現象が太陽系外巨大ガス惑星の間で一般的である可能性があることを示唆している。


