生成AIを使う大学生の間で、どれほど不正行為が行われているのか、実のところ誰も正確には把握していない。「至るところで起きていると主張する人もいれば、変化はないと言う人もいる」と、コーネル大学情報科学准教授でCornell Future of Learning Labのディレクターを務めるレネ・キジルセックは語る。「真実に近いのがどちらなのかを突き止めようとするのは、非常に興味深い」
その実態を明らかにしようとしたのが、学術誌『Science』がオンラインで公開したばかりの新たな研究であり、共著者にはキジルセックも名を連ねる。この研究において研究チームは、学生が学問分野ごとにAIをどのように利用しているかを調査した。その結果、利用率が最も高かったのはコンピュータサイエンス、ビジネス、経済学といった定量系分野であり、AIでエッセイを書かせることへの懸念が主に向けられてきた人文系ではないことが明らかになった。
調査結果は、260万人以上の学部生を擁し、STEM(科学・技術・工学・数学)分野の学士号の半数以上を授与する米国の公立研究型大学に在籍する学生9万5500人を対象に実施したアンケートの回答に基づく。
キジルセックによれば、AIによる不正行為は、多くの教員や保護者が懸念するほど広く蔓延しているようには見えない。調査対象の学生のうち、2023〜2024年度に生成AIを使用したと答えたのは3分の2に上ったが、利用が禁止・制限されている可能性のある課題でAI生成の成果物を意図的に提出したと認めたのは9%にとどまった。ただし、毎日AIを使う学生に限ると、この割合は26%に上昇する。「AIを使う頻度が高まるほど、AIを使った不正行為も増えることを示唆している」とキジルセックはForbesに語る。
キジルセックは、この結果がより大きな問題を示していると警鐘を鳴らす。AIは、大学が学習を測定する方法の弱点、そして学位が就職市場において能力の証として依然信頼できるのかという問題を露呈させているという。「ここでの利害は非常に大きい」と彼は言う。「少しの不正行為の話ではない。教育機関の健全性、そして授与される学位の信頼性に関わる問題だ」
この懸念はすでに高等教育の在り方を変えつつある。2026年5月初めにプリンストン大学の教授会は、7月1日から対面試験への監督者の配置を義務付けることを決議し、同校の名誉規範のもとで133年間続いてきた無監督試験の伝統に終止符を打った。



