なぜ職場のAIが「効率の締めつけ」を強めているのか
レポートはさらに、「効率の締めつけ(the efficiency squeeze)」と呼ぶ現象も検証している。多くの職場がスピードを過度に報いるあまり、従業員がより良い質問をするために必要なだけペースを落とすことに、居心地の悪さを感じるようになっているという。レポートによれば、労働者は平均して2分ごとに業務を中断させられ、約半数が、十分早い段階で適切な質問がなされなかったために仕事をやり直さなければならなかったと報告した。
従業員の10人に4人は、進行を遅らせたくないという理由で会議中に沈黙を保っていると答えた。ほかにも、会議の進行が速すぎること、あるいは質問をすると追加の作業が生まれ得ることを理由に、発言を避けていると認めた人がいた。
なぜ職場のAIが若手従業員に最も大きく影響し得るのか
同調査はまた、若年層の労働者が心理的負担が最も大きいことも示した。Z世代の従業員は、すでに答えを知っていなければならないというプレッシャーが最も高く、十分に理解していないことを理解しているふりをする割合も最も高く、「質問しすぎた」後に黙ってしまう可能性も最も高かった。
好奇心への影響は、組織内での個人の立場によって異なる形で解釈され得る。シニアリーダーが質問すると、それは関与や戦略的思考と見なされることが多い。しかし、若手従業員が同様の質問をすると、準備不足や経験不足と解釈されることがある。
なぜ職場のAI利用には「より多くの好奇心」が必要なのか
SurveyMonkeyは、質問を奨励する職場では、好奇心が低い環境の労働者に比べ、心理的安全性が有意に高く、ミス、機会損失、無駄な時間が少ないと見いだした。好奇心そのものが消えているわけではないが、恐れ、思い込み、テクノロジー、職場環境における相互作用など、いくつかの要因によって抑制されてしまう可能性がある。
労働者は今も、ブレインストーミングをし、質問をし、協働し、より深く考える機会を求めている。AIが日々の職場でのやり取りの多くに組み込まれるなかで、テクノロジーが人間の思考を支えるべき場面と、人間同士の会話、協働、判断を決して置き換えるべきではない場面とを、いつどう見極めるべきかを、多くの従業員がなお模索している。テクノロジーは仕事を変え続けるが、創造性とイノベーションを生き残らせたいのであれば、組織には依然として、問いを立て、共にブレインストーミングし、互いに学び合う人々が必要である。


