働き方

2026.06.01 12:00

AIによる効率化でイノベーションが消える、アイデアを殺す誤った完了感の正体

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何年も前、筆者は幸運にもSurveyMonkeyの元CEOであるザンダー・ルーリーにインタビューする機会を得た。SurveyMonkeyはすでに「好奇心」を軸に企業文化とブランディングの多くを築いており、「好奇心の力」に焦点を当てたキャンペーンや、問いを立て、耳を傾けることが重視される文化づくりについてのリーダー向け議論も行っていた。

対話の中でルーリーは、好奇心こそがイノベーションの中核にあると考えていると語った。そうした背景を踏まえると、SurveyMonkeyが最近、職場における「好奇心の現状」に関する新たな調査結果を公表したのは興味深い。

同レポートは、AIがスピードとアウトプットを改善し得る一方で、多くの職場が意図せずして、従業員が問いを立てる回数を減らし、互いに頼り合う度合いを弱め、組織が本来最も必要とする批判的思考と好奇心を少しずつ失っていく環境をつくり出している可能性を示唆している。

レポートで特に印象的なのは、労働者の95%が自分は好奇心があると述べているのに対し、職場が好奇心を強く報いると答えたのは30%にとどまった点だ。Harvard Business Reviewも以前、同様の乖離を報告しており、仕事で定期的に好奇心を感じていると答えた従業員は約24%にすぎない一方、職場でより多くの質問をするうえで障壁があると答えた人はおよそ70%に上った。

なぜ職場のAIが人間の判断力を弱め得るのか

SurveyMonkeyは、世界経済フォーラムが好奇心を「最も伸びが速いスキル」の1つとして挙げていることを紹介している。レポートではまた、デューク大学フクア・スクール・オブ・ビジネスの経営・組織論特別教授であるジャック・ソルが、好奇心とAIの背後にある心理について説明している。

ソルによれば、AIは「誤った完了感」を生み出す可能性があるという。人々はAIから答えを得ると、「もう知るべきことはない」と感じてしまうことが多いからだ。さらにソルは、AIが個人の効率を高める一方で、思考をより画一的にし、人々が問いを立てたり、アイデアをより深く探究したりすることをやめてしまえば、創造性とイノベーションを損ない得ると警鐘を鳴らしている。

レポートの中でも特に強い示唆を与えるのは、SurveyMonkeyが「AIの仲介者(the AI middleman)」と呼ぶ現象だ。リーダーは、同僚やチームを介するのではなく、質問をAIに通す傾向を強めている。実際、リーダーは一般社員に比べ、同僚の代わりにAIを使う割合が約3倍に達すると報告している。

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