経営・戦略

2026.05.25 11:30

スタバは「AIを解雇」、メタは「社員を解雇」 分かれ始めた経営判断

monticellllo - stock.adobe.com

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スターバックスは自社のAIを解雇した。そしてそのタイミングは、いま取締役会やカンファレンスの壇上で語られている「体裁のよいストーリー」について、より大きな示唆を与える。ストーリーはこうだ。

自動化は雇用を破壊しているのではなく、ただ移行させているだけだ。テックであれヘルスケアであれ、労働者はより高付加価値の新しい役割へ移る。労働市場は再均衡する。誰もが大丈夫だ、と。

だが、世界92カ国のCEOらとの対話から得た現場のデータは、別のストーリーを語っている。ナレッジワーカーを直撃するAI関連のレイオフの波は「移行」ではない。名前を与えるに値するパターンの初期シグナルだ。

AIによるレイオフは「移行」のストーリーが約束したものではない

ニューヨーク・タイムズによると、MetaはAIへの投資を進める資金を捻出するため、先週、8000人を削減した。Intuitは従業員の17%を削減する。Oracle、Amazon、Cisco、Atlassianも追随し、さらに数万人規模が続いた。彼らはナレッジワーカーであり、「移行」のストーリーでは安全だとされていた人々そのものだ。倉庫作業員がロボティクスに向けて再訓練を受けるという話とは別物だ。

これはAIによって引き起こされる、貸借対照表の大幅な見直しだ。

マクロデータによると、スターバックスとMetaに共通するパターンを浮き彫りに

米国では長期失業が増加しており、その影響をまず受けているのは新卒者だ。ニューヨーク連銀は、直近の大学卒業者の42.5%が不完全雇用状態にあると報告した。これはパンデミック以降で最も高い水準である。大手テック企業における「経験1年未満」の候補者向けポジションは、この5年間でおおむね50%減少した。22〜25歳のソフトウェア開発者では、雇用が2022年のピークから約20%減っている。

一方で、学費は急騰し、学生ローン残高は1兆7800億ドル(約281兆2400億円)に達した。いまや米国人の63%は「4年制大学の学位は費用に見合わない」と答えている。

これは構造的な断絶である。

シニアリーダーたちは同じ不満に立ち返る。実際のワークフローの中でこれらのツールを使いこなせる人材が見つからない、というのだ。スキルギャップがある、と。

だがスキルギャップがあるのは、企業がそれを積極的に作り出しているからだ。

企業は、将来の能力を育むための訓練の場であり続けたエントリーレベルの職を削っている。新しいテクノロジーに通じた労働力は、その習熟が育つ場所を取り去ってしまえば構築できない。若手育成システムが崩壊している。若手が減れば中堅も減る。中堅が減れば、将来のリーダー層の厚みが薄くなる。

このパターンには名前がある。「AI Hollowing(AIによる空洞化)」だ。

プレスリリースに現れる前に、組織図に現れる。仕事は回り続け、成果物も一見問題ない。しかし層が消えている。

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