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2026.05.24 08:17

機械と「ともに」戦う時代へ──DEIが切り拓くAI時代の公平性

Adobe Stock

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産業革命期に、蒸気式の削岩機と競争して勝利しながら、その代償として力尽きて死んだ黒人の鋼鉄打ち、ジョン・ヘンリーの伝説は、長らく「人間の矜持」対「機械の効率」という悲劇として読まれてきた。しかし、公平性の取り組み、組織変革、セクター横断のリーダーシップが交差する領域で数十年を過ごしてきた2人のストラテジスト、ジェイソン・カウンシルとダックス=デブロン・ロスは、この物語をまったく別の形に捉え直そうとしている。

「ジョン・ヘンリーは機械に抗い、命を落とした」と語るのは、リーダーシップ開発とソーシャルインパクトの分野で業界横断的に活動するファームを率いるカウンシルだ。「もし彼が機械と『ともに』戦う力を持っていたらどうだっただろうか? ジョン・ヘンリーが土木技師にインプットを与え、人間性とメカニズムが完璧に連携するよう助ける存在だったとしたら?」

この問いこそが、彼らの新たなエッセイJohn Henry for the AI Era: Raging With the Machineの鼓動である。挑発的な再解釈として、ここ10年のDEI(多様性・公平性・包摂)の取り組み──叩かれ、政治化され、いまや米国企業の多くで解体されつつある──が、次に到来するものを生き延びるための道具そのものを実は保持しているのかもしれない、と主張する。

見えない接着組織

カウンシルとロスの主張を理解するには、彼らが誰であるかを理解する必要がある。公の知識人としてではなく、ロスが呼ぶところの「エコシステムの公共インフラ」としての彼らだ。2人は、進歩的な組織のインフラ深部で働いている。投票権保護団体、人権団体、移民支援の擁護者、市民社会を築く担い手。目に見える仕事をする人々のために、組織文化、価値観の整合、コーチング、長期的なビジョン策定を担う人々である。

「僕とジェイソンは何百もの組織と仕事をしているが、僕たちの名前を常に聞く必要はない」と、8冊の著作を持ち、戦略コンサルティングと並行して30年間ジャーナリズムにも携わってきたロスは言う。「それがポイントなんだ」

まさにこの視点──数十年にわたり、複数のセクターを横断しながらシステムを内側から観察してきた立ち位置──が、多くの人がいまだ見落としているパターンを彼らに見せた。DEIへの反発とAIの台頭は、別々の現象ではない。

「DEIの正統性が損なわれているのがAIの台頭と同時に起きているのは偶然ではない」とロスは論じる。「それによって、どんな含意があるのか、そして私たちが長期的にそれをどう考えているのかについて、会話をしないで済むようになってしまう」

戦場は変わった

長年、公平性の取り組みは代表性を中心に据えてきた。誰がテーブルに座るのか、誰の顔が取締役会にあるのか、誰の物語が語られるのか。だがカウンシルとロスは、そうした枠組みは決して全体像ではなく、ゼロサムに見える構図が結局、政治的に解体されやすい弱点になったと主張する。

しかしAIは、戦場を完全に変える。テクノロジーが肉体労働だけでなく知的労働──弁護士、アナリスト、ストラテジスト、ライター──までも攪乱するのは、これが初めてである。ウェストバージニア州の農村部にいる白人の幹部と、アトランタの黒人起業家が、それまで共有し得なかった脆弱性を突然共有することになる。本質的に彼らの最善の利益を考えていない機械という脆弱性だ。

「人間対人間になると、常に『私たち』対『彼ら』になる」とカウンシルは言う。「だがいまは、おそらく初めて、私たちは──一緒に──自分たちを信じられるのかもしれない」

これが、彼らがDEAIと名付けた概念の核心である。AIにおけるDiversity, Equity and Inclusion(多様性・公平性・包摂)だ。単なる看板の付け替えではなく、方向転換である。DEIのレンズ──誰が排除されているのか、誰が権力を持つのか、どの世界観がシステムに埋め込まれているのかを点検する視点──こそが、AI設計、AIガバナンス、そして人間の労働に対するAIの含意を問い直すために必要なレンズだ、という洞察である。

アクセスからアーキテクチャへ

彼らのエッセイは、AIにおける公平性の2つの異なる次元を示す。1つ目は、彼らが「アシスタント格差」と呼ぶものだ。知的レバレッジが歴史的に極端に不平等だったという現実である。CEOにはリサーチチームがあり、政治家にはスピーチライターがいて、富裕層にはアドバイザーがいた。それ以外の人々は、ひとりで働いてきた。だがAIは、ノートPCを持つ第一世代の大学生に、かつてはエリートしか持ち得なかった水準に匹敵する分析能力へのアクセスを与えることで、そのヒエラルキーを破壊する。これこそ公平性が働く局面だ、と彼らは言う。

しかしアクセスだけでは十分ではない。ここに、より難しい議論がある。AIを責任ある形で使ううえで最も適した人々とは、盲目的にAIに依存する人ではない、と彼らは書く。文化的リテラシー、倫理的な拠り所、そして偏りを見抜く認識力をツールに持ち込める人々だ。そうした資質は、DEIが10年かけて組織に組み込もうとしてきたものだ、と彼らは指摘する。

「それらがなければ」とエッセイは述べる。「AIは学習データの鏡となり、歴史的な不平等を大規模に複製する。それらがあれば、AIは人間の洞察を増幅する装置となる」

ロスは、思慮深いリーダーなら誰もが立ち止まらざるを得ない観察をさらに加える。ジョイ・ブオラムウィニやティムニット・ゲブルのような研究者の調査は、顔認識システムが、肌の色が薄い男性よりもはるかに高い割合で、肌の色が濃い女性を誤認識することを記録してきた。信用アルゴリズムが、歴史的な融資バイアスを再現することも示されている。これらは「見え方」の問題ではない。精度の問題であり、害の問題である。そして、公平性をリリース後の監査として扱い、立ち上げ段階の設計原則として扱わないときに起きることだ。

ワカンダ原則

私たちの会話の中で、意外な文化的タッチポイントが浮かび上がった。『ブラックパンサー』だ。願望充足としてではなく、真のモデルとして。

「ワカンダは、機械とともに戦うことの例だ」とカウンシルは言う。「機械のなかに公平性が注入されている」

彼らの読みでは、架空の国家ワカンダは、ある文化の最も深い価値観と知の体系が、最先端の技術へと織り込まれていく姿を示している。そこから抜き取られたり、無視されたりするのではない。ジョン・ヘンリーの対極だ。進歩に逆らって走る一人の男ではなく、進歩を自らの姿に形作る文明である。

これこそが、ロスとカウンシルが突きつけるリーダーシップの課題だ。Claudeの内部に、あるいはGPTの内部に、どの世界観が埋め込まれているのか。まもなく数十億人の採用、信用、医療、教育を媒介することになるシステムには、どんな価値観が符号化されていくのか。そして、その会話に参加できるのは誰なのか。

「いま専門家なんて誰もいない」とロスは率直に言う。「このテクノロジーは登場したばかりで、実際にどう機能しているかさえ分かっていない。だったら、格差を理解する専門性を築いてきた人々──雇用、住宅、信用のパターンにおける格差を──なぜその知識がここで役に立たないと言えるのか?」

リーダーシップの要諦

カウンシルとロスはテクノ悲観主義者ではない。彼らのエッセイは、注目すべきことに、AIとの協働で書かれた。彼らはAIを使い、他者に使い方もコーチしている。彼らが抗っているのは、AIを形作るのはエンジニアと創業者だけのものだ、という前提である。

この時代に成功するリーダーは、AIに抵抗する人でも、盲目的に採用する人でもない、と彼らは論じる。より難しい問いを発する人だ。私たちの人間としての価値提案とは何か。AIが草案を書き、分析し、予測できるのなら、人間のリーダーシップは判断、知恵、文脈、倫理にいっそう踏み込まなければならない。

「いま私たちが扱っているのは、ソースもソウルもないプラットフォームとテクノロジーだ」とカウンシルは、彼らしい率直さで言う。「そこにソースとソウルが宿ったら何が起きるのか。それをつなぐ助けをしようとしている」

ロスにとって、その感情的な重みは個人的であり、最終的には道徳の問題でもある。「有色人種の人たち、私たちは、ずっと以前からこの世界全体にとって有益な輝きを生み出してきた。だが、その10年の窓の外側では、それが本当に敬意をもって称えられるための招待が存在しない」

彼らの構想においてDEAIは、その招待状である。歴史的に排除されてきた人々だけに向けられたものではない。本質的に自分たちの価値を知らない機械に直面する、いまやすべての人に向けて差し出されるものだ。

「機械とともに戦うことは、ノスタルジーとナイーブさの双方を拒み……AI時代の公平性とは、誰がテーブルに座るかではない。人間性がその先頭に残り続けるかどうかだと理解することを意味する」と彼らは書く。

ジョン・ヘンリーはハンマーを手に取り、競争に勝った。悲劇は、彼が競ったことではない。次に来るものの設計を手伝うよう、誰も彼に求めなかったことだ。カウンシルとロスは、いまその問いを投げかけている。手遅れになる前に。

ジェイソン・カウンシルはリーダーシップのストラテジストであり、公平性とイノベーションの交点で複数のセクター横断イニシアチブを共同創設してきた。ダックス=デブロン・ロスは作家、教育者、組織変革のストラテジストで、8冊の著作と30年のジャーナリズム経験を持つ。彼らのエッセイ「John Henry for the AI Era: Raging With the Machine」は現在公開中である。

forbes.com 原文

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