宇宙

2026.05.24 09:30

スペースXの新型スターシップ打ち上げ成功、加速する宇宙インフラ構築とアルテミス計画

(c)SpaceX

ダミー衛星22機の放出に成功

これまでの飛行テストと同様、シップは準軌道を航行した。つまり、この軌道では高度100km以上の宇宙空間に達するが、地球周回軌道には乗らない。そのためシップは地球を東回りに約2分の1周したのち、オーストラリアの西方、インド洋への着水が予定された。

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放出されたテスト衛星から軌道上のシップの姿が初めて撮影された (c)SpaceX
放出されたテスト衛星から軌道上のシップの姿が初めて撮影された (c)SpaceX

シップが地球の夜側に回り込み、打ち上げから17分が経過したころ、機体側面のハッチが開き、ダミー衛星を軌道上に放出するデモンストレーションが実施された。放出されたのは、大型の次世代型スターリンク(V2仕様)のダミー20機と、現行のV2ミニを改造したテスト機が2機。これら22機の衛星は約10分間にわたり、2機1セットで11回にわたってリリースされた。

テスト機にはカメラが搭載され、それによって初めて航行中のシップが機外から撮影された。また、ダミー衛星の放出のあと、本来であればラプターエンジンの宇宙空間での再点火テストが行われる予定だったが、エンジントラブルの発生により同テストはキャンセルされた。

バルブから排出される気化した推進剤は機体制御にも活用される (c)SpaceX
バルブから排出される気化した推進剤は機体制御にも活用される (c)SpaceX

このダミー衛星の放出の直前、シップの機体側面のバルブから大量の噴出物が確認されたが、YouTubeチャンネル「エブリデイ・アストロノート」のティム・ドッド氏によると、これはタンク内で蒸発した推進剤のベント(排気)だという。
「超低温の推進剤が沸騰するとタンク圧力が上がるので、通常はそれをベントする必要があります。ただし、スターシップには特殊な仕組みがあり、その気体を無駄に排出せず、姿勢制御に活用できます。(ライブ映像を観ながら)いまは機体左右の2つのベントから排出されているので、その推進力を打ち消し合い、軌道制御には使用していませんが、これは良好な状態といえます」。スターシップの機能や構造は公表されていない部分が多いが、ドッド氏はイーロン・マスク氏へのインタビューを定期的に行っていることもあり、同機に精通した人物だ。

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編集=安井克至

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