ダミー衛星22機の放出に成功
これまでの飛行テストと同様、シップは準軌道を航行した。つまり、この軌道では高度100km以上の宇宙空間に達するが、地球周回軌道には乗らない。そのためシップは地球を東回りに約2分の1周したのち、オーストラリアの西方、インド洋への着水が予定された。
シップが地球の夜側に回り込み、打ち上げから17分が経過したころ、機体側面のハッチが開き、ダミー衛星を軌道上に放出するデモンストレーションが実施された。放出されたのは、大型の次世代型スターリンク(V2仕様)のダミー20機と、現行のV2ミニを改造したテスト機が2機。これら22機の衛星は約10分間にわたり、2機1セットで11回にわたってリリースされた。
テスト機にはカメラが搭載され、それによって初めて航行中のシップが機外から撮影された。また、ダミー衛星の放出のあと、本来であればラプターエンジンの宇宙空間での再点火テストが行われる予定だったが、エンジントラブルの発生により同テストはキャンセルされた。
このダミー衛星の放出の直前、シップの機体側面のバルブから大量の噴出物が確認されたが、YouTubeチャンネル「エブリデイ・アストロノート」のティム・ドッド氏によると、これはタンク内で蒸発した推進剤のベント(排気)だという。
「超低温の推進剤が沸騰するとタンク圧力が上がるので、通常はそれをベントする必要があります。ただし、スターシップには特殊な仕組みがあり、その気体を無駄に排出せず、姿勢制御に活用できます。(ライブ映像を観ながら)いまは機体左右の2つのベントから排出されているので、その推進力を打ち消し合い、軌道制御には使用していませんが、これは良好な状態といえます」。スターシップの機能や構造は公表されていない部分が多いが、ドッド氏はイーロン・マスク氏へのインタビューを定期的に行っていることもあり、同機に精通した人物だ。


