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2026.05.29 09:15

1人で10機のドローンを遠隔同時運航、KDDIらが挑む社会基盤の未来

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国内において生産年齢人口の減少に伴う労働力不足や社会インフラの老朽化、地域の過疎化や高齢化といった多様な社会課題が深刻化する中、その解決策としてドローンの社会実装や事業化への期待が高まっている。特に効率化の観点から、1人の遠隔操縦者が複数拠点のドローンを同時に運用する手法が注目されている。

しかし、これまでのドローン運航方式には大きな壁があった。安全確保のために操縦者がカメラ映像を常に注視し続ける必要があり、この方式では操縦者の疲労や見落としのリスクといった認知負荷が高まってしまう。そのため、安全を管理できる同時運航数は最大5台程度が限界とされていた。

こうした課題の解決に向け、KDDIとKDDIスマートドローンは2026年3月23日から4月27日にかけて多数機同時運航の事業化に向け、映像の監視のみに依存しない新たな運用体制の実証実験を実施。北海道、千葉県、東京都、石川県の複数地域に常設されたドローンポートを活用し、東京の拠点にいる1人の遠隔操縦者が10機のドローンを同時運航することに成功した。

本取り組みでは、人間によるカメラ映像の常時監視をシステムに置き換える有効性を検証。運航管理システム(UTM)を用いて、各機体の飛行高度や風速、バッテリー残量といったテレメトリー情報を一元管理する手法がとられた。このテレメトリー情報を主軸とした監視体制により、操縦者は10機すべての状況を正確に把握し、全機を問題なくポートへ着陸させるなど、安全な運航が可能であることを確認。さらに、バッテリー残量低下といった操縦者の介入を要する異常を複数機で同時に発生させたトラブル時においても、テレメトリー情報から速やかに検知し、状況に応じた優先順位を判断して安全に緊急着陸させる運用手順の有効性も立証された。

視線計測や作業負荷を評価する主観的尺度「NASA-TLX」を用いた調査からは、このUTMによるテレメトリー情報主軸の監視が、操縦者の集中力持続や疲労軽減に有効であることも可視化されている。1人の操縦者が運航環境の異なる複数拠点で安全に多数機を同時運航するための、機体、システム、運用手順の要件が確認された形だ。

両社は今後、AIドローンを全国1000拠点へ配備する計画を掲げる。これにより、国内のあらゆる場所へ10分以内に遠隔操縦のAIドローンが駆けつけられる社会基盤の構築を目指す構えだ。本実証で得られた知見は、カメラ映像の常時監視を一部システムに置き換える多数機同時運航の制度設計を進めていき、さらなる社会実装の加速に活かしていくとしている。

出典:スマートドローン「遠隔操縦者1人で複数拠点のドローン10機同時運航に成功」より

文=飯島範久

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