自然写真に見る、野生動物の知恵と力
自然が世界を金色のパステルカラーで染めるなか、自信ありげに先導するカモメのあとを追って、子どものヒグマが干潟を渡っている。
小さなガイドを信頼するクマの穏やかで謙虚な姿勢は、もっと奥深い真実を物語っている──最高の強さは、穏やかな導きに静かに身を任せたときに見つかることもあるのだ。
この類まれな一瞬は、知恵は、ごくかすかなささやきに宿ることを思い出させてくれる。
黄昏ゆく時代にあっても、力は残る──玉座や寺院にではなく、筋肉や角に。そして、自然の最古の守護者の沈黙のなかに刻まれる。声高に叫ぶ強さではなく、耐え忍ぶ強さのポートレートだ。
陽が沈むなか、キリンの母子の一幕をとらえた1枚。
イトマキエイの大群をしばらく追いかけたあと、撮影者のビンチエン・ガオは別のアプローチを試してみることにした──先回りして、待ったのだ。
「ずっと先の方まで行って、息を吸いこんで、ゆっくり潜りました」とガオは話す。「すると、来たんです。エイたちがまっすぐこっちに向かって泳いできて、うっとりするような対称の動きが水中で展開されました。このめずらしい向かい合ったアングルから見ると、エイたちの構造がおのずとあらわになりました。翼のようなひれが完璧なリズムで動き、口が穏やかに開き、100枚の空飛ぶパンケーキさながらに一体になって動きながら、餌を取っているんです」
アラスカのすぐ南に位置するカナダのブリティッシュコロンビア州クツィマティーンで、オスのグリズリー2頭が、近くで満足げに草を食む若いメスと交尾する権利をめぐって闘っている。


