とはいえ、ロケット弾は必ずしも防空チームに命中する必要はない。彼らに恐怖心を与えるだけでも十分だ。「制圧射撃(suppressive fire)」とは、敵を伏せさせ、有効な行動を取れなくする射撃をいう。防空チームに身の危険を強く感じさせ、戦闘に入れないようにすることで、ほかのドローンが突破できるようにすることこそ、ここでの主目的なのかもしれない。
ロケットポッド2基を積めば、FP-1のペイロード(有効搭載量)を使い切ることになる(ちなみに、その改良型のFP-2は航続距離は短くなっているが、ペイロードは2倍に増えている)。そのため、このドローン自体は弾頭をほとんど、あるいはまったく搭載していないのかもしれない。だとすれば、このFP-1の主な役割は敵防空制圧(SEAD)のための専用プラットフォームということになる。
ウクライナは、FP-1にFPV(一人称視点)ドローンを搭載し、空中から発進させて機動防空チームを攻撃しているとも伝えられる。しかし、これはロケット弾の一斉射撃ほど劇的な効果はもたらしそうにない。
海・陸・空で続く無人システムの進化
SEADドローンの登場はまったくの驚きというわけでもない。というのも、ほかの領域で同様の発展がみられてきた経緯があるからだ。
ウクライナの無人水上艇(USV)部隊は大きな成功を収めており、2023年以来、黒海を支配している。最初に登場したのは、爆薬を満載して体当たりする自爆型だった。その後、機関銃やロケット弾を装備したタイプが加わった。これら武装USVの目的は、ロシア軍の艦艇に対して制圧射撃を行い、その乗員が自爆型無人艇を阻止できないようにすることにある。
СБУ продемонструвала нове покоління легендарних морських дронів «Sea Baby»
— СБ України (@ServiceSsu) October 22, 2025
➡️ https://t.co/AW5AEY1KXY pic.twitter.com/SRTFM9DFgB
地上でも、ウクライナはこれまで数々の無人車両(UGV)を配備してきた。UGVもやはり、初期型は単純に爆薬を積んでロシア軍の陣地に送り込むものだった。このような低速車両は敵の火力に脆弱であり、そのため現在は機関銃をはじめとする兵器を搭載したタイプに支援されている。東部ハルキウ州クプヤンシク方面で最近あった戦闘でもみられたように、機関銃で武装した地上ロボットは制圧射撃を加え、ほかの車両による突破を支援できる。
🤖Ukrainian ground robots used to clear enemy infantry positions in Kupiansk.
— Special Kherson Cat 🐈🇺🇦 (@bayraktar_1love) May 1, 2026
In February 2026, a special operations unit of the “Lava” unmanned systems regiment (Khartia Corps), with support from the Khartia Brigade, eliminated 10 Russian troops holding positions in the city.… pic.twitter.com/dPOk2J2hzf
したがって、FP-1の制圧射撃型の出現は、ある意味では当然の進化とも言える。


