航空機によるロケット弾攻撃
ソーシャルメディアで共有された4秒の動画には、FP-1とみられる機体からロケット弾が発射される様子が映っている。発射された弾薬を特定することは不可能だが、ロシア側の別の画像からはこのドローンがS-5無誘導57mmロケット弾の4連装ポッド2基を搭載していたらしいことがわかる。
第二次世界大戦期のドイツ製R4Mロケット弾をベースに、旧ソ連で1940年代に開発されたS-5は、米国の70mmロケット弾に似た折りたたみ式尾翼付きロケット弾だ。重量は4.5kg程度で、通常は、あらかじめ成形された金属片を飛散させる爆風・破片型の約0.8kgの弾頭を備える。有効射程は3kmかそこらとされ、アフガニスタン戦争やチェチェン紛争で広く使われた。
ウクライナでは、無誘導ロケット弾は多くの場合、ヘリコプターからロフテッド方式で発射される。ヘリコプターが急降下したあとに機首を引き起こし、最大限の射程を得るためロケット弾を急角度で上向きに発射し、すぐさま離脱するという攻撃方法だ。こうした間接照準射撃により、パイロットは敵の対空兵器に捕捉されにくい位置にとどまりながら攻撃できる。ただ、この方法では散布界が大きくなり、ロケット弾は広い範囲に散らばって着弾する。したがって車両のような特定の目標に命中させられる可能性は低いが、開けた場所を移動する歩兵など「面目標」に損害を与えるのには効果を発揮する場合がある。
Donetsk Oblast, a team of Ukrainian forward air controllers guide in a pair of Ukrainian Army Aviation Mi-8 helicopters on a low level rocket attack run. pic.twitter.com/sPw8aw5518
— OSINTtechnical (@Osinttechnical) September 11, 2024advertisement
これに対して、ロケット弾の直接照準射撃は命中精度がかなり高くなり得る。初期型S-5の公称散布界は3.5mrad(ミリラジアン)で、これは1kmの距離から照準点の3.5m以内に着弾可能であることを意味する。ベトナム戦争では、ロケット弾ポッドは主に面制圧のため一斉射撃されていたが、ヘリコプターの熟練射手のなかには、連続して発射するロケット弾を徐々に目標へ寄せていくことで地上の点目標に命中させる者もいた。
とくに機動防空チームにとって重要な問いは、ドローンから発射されるロケット弾は自分たちに命中する可能性があるのかどうかだ。低速で水平に直線飛行するドローンは安定した射撃プラットフォームになるだろうし、ロケット弾が8発満載されていれば命中する可能性は十分出てくる。自動照準システムを備えていれば、それも役立つかもしれない。同様のシステムは、ドローンによる爆撃の精度を大幅に向上させてきた実績がある。


