北米

2026.05.24 08:00

米海軍空母、今後は半年以上の長期展開が常態化か 乗組員への影響は? 「悪循環」招く恐れも

中東のアラビア海で、米国によるホルムズ海峡の封鎖作戦に参加する米空母「USSエイブラハム・リンカーン(CVN-72)」。2026年4月16日撮影(Handout Photo by the U.S. Navy via Getty Images)

中東のアラビア海で、米国によるホルムズ海峡の封鎖作戦に参加する米空母「USSエイブラハム・リンカーン(CVN-72)」。2026年4月16日撮影(Handout Photo by the U.S. Navy via Getty Images)

米海軍のニミッツ級原子力空母「USSエイブラハム・リンカーン(CVN-72)」が母港であるカリフォルニア州サンディエゴのノースアイランド海軍航空基地を出港してから、5月19日(火)時点で179日が経過した。米空母打撃群の展開期間はこれまで6カ月間が標準だったが、運用可能な艦艇数が足りていない一方で緊張の高まっている地域が増えていることから、航海日数は長引く傾向にある。

エイブラハム・リンカーンは南シナ海で活動中だった今年1月、中東への派遣命令を受けた。対イラン軍事作戦「エピック・フューリー作戦」に先立って米軍が現地に展開する戦力を増強する中でのことだ。2月末に開始されたイランとの紛争には終結の兆しが見えず、この超大型空母がどれだけ長く中東にとどまることになるかはわからない。別の空母打撃群の準備が整うまで展開を継続する可能性がある。

もっとも、エイブラハム・リンカーンにとって派遣期間の延長は初めての経験ではない。

今春まで同艦は米海軍空母としてベトナム戦争後最長となる295日間の展開記録を保持していた。2019年4月に中東派遣のため母港を出港したが、標準的な6カ月間の展開期間終了後も海上にとどまり、帰港できたのは2020年1月20日のことだった。

約10カ月間に及んだこの任務の後、これほど長期間の航海が乗組員にどんな影響を及ぼし、本国で待つ家族にどんな負担を強いるのかをめぐって議論が交わされた。米軍において最も注目度が高く重要なプラットフォームに数えられる空母の整備要件すらも議題に上った。

塗り替えられた記録

不名誉なことに、エイブラハム・リンカーンの記録は先月、最新鋭空母「USSジェラルド・R・フォード(CVN-78)」によって塗り替えられた。ジェラルド・フォードの航海は326日間に及び、今月16日にようやくバージニア州ノーフォーク海軍基地に帰港した。長きにわたる任務の間、同艦は北海、地中海、カリブ海、紅海で活動した。

ジェラルド・フォードの帰還に際し、ノーフォーク海軍基地で出迎えたピート・ヘグセス米国防長官は、艦内放送を通じて「第12空母打撃群のすばらしい水兵と乗組員たちよ。ほぼ1年間にわたり、諸君はわが国のために耐え抜いた。諸君の航海は思いがけない展開となった」と乗組員の献身をねぎらった

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翻訳・編集=荻原藤緒

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