北米

2026.05.24 08:00

米海軍空母、今後は半年以上の長期展開が常態化か 乗組員への影響は? 「悪循環」招く恐れも

中東のアラビア海で、米国によるホルムズ海峡の封鎖作戦に参加する米空母「USSエイブラハム・リンカーン(CVN-72)」。2026年4月16日撮影(Handout Photo by the U.S. Navy via Getty Images)

ヘグセスはまた、ジェラルド・フォードと同艦を中核とする第12空母打撃群(CSG-12)の乗組員に対し、展開中の行動をたたえて大統領部隊感状が授与されると明らかにした。

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「感状を授与するのは、ただ職務を遂行したからではない。並外れた英雄的行為が、その栄誉に値するからだ。エピック・フューリー作戦における激戦のさなか、第12空母打撃群が圧倒的な戦闘力と果敢な行動力を発揮し、国家にとって極めて重要な任務を完遂したことを示している」とヘグセスは述べた。

米海軍によると、大統領部隊感状(Presidential Unit Citation: PUC)とは、かつては殊勲部隊章(Distinguished Unit Citation: DUC)と呼ばれ、「米軍の部隊に授与される最高位の集団表彰で、武装した敵との戦闘における並外れた英雄的行為をたたえて部隊に授与される。個人であれば殊勲十字章や海軍十字章、空軍十字章に値する勇敢さをたたえるものだ」という。

326日間に及ぶ航海を終え、米バージニア州ノーフォーク海軍基地に帰港して家族らとの再会を喜ぶ空母「USSジェラルド・R・フォード(CVN-78)」を中核とする第12空母打撃群(CSG-12)の乗組員たち。米国防総省提供写真(SECWAR, Public domain, via Wikimedia Commons)
326日間に及ぶ航海を終え、米バージニア州ノーフォーク海軍基地に帰港して家族らとの再会を喜ぶ空母「USSジェラルド・R・フォード(CVN-78)」を中核とする第12空母打撃群(CSG-12)の乗組員たち。米国防総省提供写真(SECWAR, Public domain, via Wikimedia Commons)

かつて当たり前だった長期展開

ジェラルド・フォードとその護衛艦が海上で過ごした期間は、歴史上前例がなかったわけではない。ベトナム戦争中、特に1960年代から70年代初頭にかけては、空母の航海期間が300日を超えることがたびたびあった。

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米海軍と米海軍協会ニュース(USNI News)のデータベースによれば、1972年にはミッドウェイ級空母「USSフランクリン・D・ルーズベルト(CVA-42)」が300日間の航海を実施。1972~73年にはフォレスタル級空母「USSサラトガ(CVA-60)」の航海が308日間に及び、遡って1964~65年にはミッドウェイ級空母「USSコーラル・シー(CVA-43)」が329日間の展開を行った事例がある。

最長記録を保持しているのは1972~73年に332日間を海上で過ごした空母「USSミッドウェイ(CVA-41)」だ。ほぼ1年間にわたる長期展開はベトナム戦争における作戦支援のためで、1972年の北ベトナム空爆作戦の支援も任務に含まれていた。

長期展開が「ニューノーマル」に?

イラン紛争とベトナム戦争を早々に比較する評論家もいるが、両者には顕著な違いがある。ベトナム戦争は10年以上続き、数十万人の徴兵・志願兵が地上戦に投入された。一方、イランとの紛争ではこれまでのところ、局地的な部隊展開は最小限にとどまり、大規模な展開よりも遠隔攻撃能力に重点が置かれている。

空母が作戦上重要な役割を果たしているのは変わらないが、米海軍で現在就役中の空母は11隻のみであり、いつでも展開可能な状態にあるのはそのうち一握りにすぎない。

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翻訳・編集=荻原藤緒

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