気候・環境

2026.05.24 16:00

AI需要で急増するデータセンター、気温を「4度上昇」させる可能性

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セイラーは、データセンター周辺で地表温度が上昇しているという以前の未発表研究について認識していたと私に語った。「その研究は注目と批判を同じだけ集めた」とセイラーは記している。私も当初の発見には懐疑的で、より厳密で公表された分析が出るまで情報共有を控えていた。地表温度への影響は物理的に腑に落ちなかったが、廃熱との関連性には説得力がある。

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気象や気候の多くの事象と同様、これも物理学に帰着する。データセンターは、消費するエネルギーに伴う膨大な熱を外へ排出しなければならない。「これは熱力学の第一法則に過ぎない」とセイラーは言う。「比較的小規模な36MWのデータセンター1つでも、約4万世帯の電力消費に相当する熱を排出する」と同氏は付け加えた。では、何が起きているのか。

現代のデータセンターは主に空冷式の冷却システムを使用しており、屋上に設置された空冷式チラーの集合体から主に「顕熱」を放出する。「この熱放出の密度は、午後のピーク時の日射量(太陽放射照度)の2〜6倍に達する」とセイラーは私へのメールで説明した。日射量とは何か。基本的には、単位面積あたりに地表へ到達するエネルギー量のことだ。

セイラーによると、これはデータセンターと熱影響に関する一連の研究の始まりに過ぎないという。確かに重要な検討課題だ。長年にわたり、私の研究は都市の熱、建物、汚染が熱関連の健康被害を引き起こし、豪雨に影響を与え、インフラを変化させ、コミュニティに不均衡な影響を及ぼし得ることを示してきた。2013年の分析では、ワシントン〜フィラデルフィア〜ニューヨーク〜ボストンを結ぶI-95回廊(米国東海岸の主要都市を結ぶ幹線道路沿い地域)のようなヒートアイランドの「群島」が、気象と気候に複合的な影響を与える可能性があると主張した。セイラーと私は実際に、こうしたシナリオを緩和するための政策手段を提案する2016年の論文で共同研究を行っている。

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データセンターの集積地は、都市そのもののように気象を大きく変える存在になりつつあるのか。答えは時間(と査読付き研究)が教えてくれるだろう。

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