嵐やSnow Man、東方神起、TWICEなどによる「5大ドームツアー」は、札幌から東名阪を経由し福岡で終える形式が半ば制度化されてきた。しかし札幌ドームは、機材輸送費や宿泊費などのコスト負担が重く、満員でも収益性が低いとされてきた。
一方、台北都市圏人口は約700万人と札幌圏を大きく上回り、一人当たりGDPも高い。日本からの遠征ファンを受け入れる宿泊・交通インフラも整っており、現地J-Popファン人口も極めて多い。
つまり、福岡や沖縄で国内ツアーを終えるよりも、「国境を越えて台北まで延長する」ほうが、経済合理性を持ち始めているのである。
中国市場の巨大さゆえに、これまで洋楽やK-Pop、J-Popアーティストは北京政府への配慮から台北公演を後回しにしてきた。しかし現在、その前提が崩れ始めている。政治リスクを避けつつ、安定した大型興行を実現できる市場として、台湾が再評価されているのだ。台北ドームの誕生は、単なる新施設の開業ではない。アジア・ツアーの地図そのものを書き換える転換点になりつつある。


