新たな差別化法の模索
実用的なイノベーションは、創業者がコアな顧客層のニーズに注力しつつ自社のニッチ市場において他社との差別化を図るための有意義な手段ともなる。
もちろん、そのためには企業がイノベーションを受け入れる基盤となる文化を備えている必要がある。マッキンゼーのレポートが指摘しているように、「イノベーション文化が定着している企業は、テクノロジーを活用して競合他社との差を広げるという点で他社の先を行っている。半数以上の企業が、オンラインマーケットプレイスが小売業者にもたらすようなネットワーク効果の恩恵を享受できるテクノロジーを導入している。また、3分の2近くがスピードや精緻さ、精度を高めるために社内および顧客向けの基幹プロセスにAIを導入している」という。
結局のところ、サービス企業が他社との差別化を図る最善の方法は提供する体験にある。テクノロジーを活用して、拡張性を考慮した効率的で再現性の高いプロセスを構築することで品質を犠牲にすることなく、顧客に迅速かつ確実な成果を提供することができる。
このアプローチによって、サービス企業は顧客のニーズに基づいて継続的な改善を図ることができるようになる。特に、データから得られる知見を活用してプロセスやサービス内容を改善する場合、その効果は大きい。
事業拡大への実践的アプローチ
実用的なイノベーションとは単に破壊を目的とした破壊ではない。顧客にサービスを提供するための、より優れて賢く、拡張可能な方法を築くことだ。適切なテクノロジーを活用することでサービス企業は継続的な改善に力点を置き、需要の増加に対応して事業を拡大し、業務の俊敏性を高めることができる。
実用的なイノベーションがサービス企業の経営思想の基盤となると、その企業は持続可能な方法で拡張性のある成果を生み出すための体制をもっと整えることができるようになる。


