教育

2026.05.22 14:45

10代が抱える夜の孤独を、音楽×AIで救う──女子中高生が挑む「Technovation Girls」最前線

距離を越えたチームビルディング

ビジネスモデルの構築、英語でのピッチ動画制作、そして実際のアプリのコーディング。これらを彼女たちは、2月中旬のチーム結成から4月下旬の米国本部への提出期限までの、わずか2カ月半で成し遂げた。しかも、4人はそれぞれ異なる県に住み、対面で会う機会はほとんどない完全オンラインの環境下でだ。

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日本でのプログラム運営を統括するWaffleの古瀬麻衣子氏は、彼女たちのチームワークを高く評価する。

「この活動を進めるうえで、どのチームもいちばんの足かせになるのが『チームビルディングと人間関係』です。学業や部活で忙しい中で、どうしても特定の人に作業の重荷が偏ってしまい、不満や衝突が起こります。毎日たくさんの相談が私のもとに来る中で、このチームは一度も喧嘩をせず、驚くほどスムーズに開発を進めていました」(古瀬氏)

その秘訣は、彼女たちの徹底した「ギブ・アンド・テイク」の精神と合理的なコミュニケーションにあった。

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「それぞれのメンバーが学校生活と両立しながら参加しているので、全員で集まれる時間は限られています。だからこそ、集まったときに一気に役割を決め、その後は各自で作業を進めて、最後に意見をまとめていきました。仲間と画面越しに熱い議論を交わすたびに、『遠くにいながら一つの目標に本気になれるって、すごいことだな』と思いました」(井口さん)

メンバーの三田村笑里さん(千葉県・中学2年生)は、部活動や塾で忙しい日々を送っていたが、「ちょっとした空き時間にDiscordを見るようにしていた」と振り返る。

「みんなが集まるときに参加できなくても、話し合った内容をスライドに書いて残してくれました。『今日どこまで進んだ?』とDiscordで聞くとやさしく教えてくれて、とても助けられました」(三田村さん)

同じくメンバーの山田ヤードリー愛理桜さん(岐阜県・高校2年生)も、お互いの助け合いによってプロジェクトを進めることができたと説明する。

「一人が意見を言って全員が遠慮して同調するのではなく、一人ひとりが自分の考えていることをはっきり言える空気がありました。テスト期間などで手がまわらなくなったときは素直にお願いし、逆に他の子が大変なときは自分が引き受ける。そういう関係が自然とできていました」(山田さん)

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加藤智朗=文

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