スタートアップ

2026.05.25 09:00

OpenAIとAnthropicは、まったく異なる2つのAIビジネスモデルを試している

prima91 - stock.adobe.com

prima91 - stock.adobe.com

企業価値が最も高い民間AI企業であるOpenAIとAnthropicが株式公開市場へ向かう中、投資家はAIの経済性をめぐる根本的な問いに直面している。収益性は、消費者向けサービスの規模拡大から生まれるのか。それとも、企業向け売上から生まれるのか。今週明らかになった両社の財務状況から見える答は、企業向け事業だ。

OpenAIはIPO(新規株式公開)に向けて非公開で書類を提出し、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーとともに、早ければ2026年9月にも上場する方向で準備を進めている。想定企業価値は1兆ドル(約158兆円。1ドル=158円換算)を超える。一方、Anthropicは最新の資金調達ラウンドの一環として、2026年第2四半期の売上高が109億ドル(約1.72兆円)に達する見通しだと投資家に開示した。第1四半期の48億ドル(約7584億円)から2倍以上に増え、同四半期には同社初の営業利益5億5900万ドル(約883億2200万円)を見込むという。

この2つの動きは、AIの収益性をめぐる議論の構図を示している。一方の企業は、膨らみ続ける赤字をさらに何年も支える資金を公開市場に求めようとしている。もう一方は、すでに黒字の四半期を手にして市場に向かっている。

投資家は比較対象としてアマゾンを引き合いに出し続けている。同社は何年にもわたって数十億ドル(数千億円)の損失を出した後、歴史上最も収益性の高い企業の1つになった。積極的に投資し、プラットフォーム転換を押さえ、その後に利益を回収するというアマゾンの型が、AI強気論の根拠として使われている。

しかし、この類推は誤解を招く。数字を見れば、AIの収益性がどこから生まれるかが分かる。アマゾンは、2003年に初の通期黒字を達成するまでの6年間で、累積損失がおよそ30億ドル(約4740億円)だった。OpenAIは、2029年ごろか2030年ごろにキャッシュフローが黒字化するまでに、数千億ドル(数十兆円)規模の損失を積み上げる見通しだ。規模は100倍違い、コスト構造も本質的に異なる。そして、収益化への道筋を見いだせる企業があるとすれば、その道は消費者への普及ではなく、企業向け事業を通る。

次ページ > OpenAIとAnthropicのAI収益性格差

翻訳=酒匂寛

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事