「米国で最も価値の高い、非上場ファミリービジネス」トップ25
以下に、米国で最も価値の高い非上場ファミリービジネス上位25社を掲載する。
1.コーク
○評価額:1850億ドル(約29.42兆円)○本社:カンザス州ウィチタ○一族:カンザス州ウィチタ
フレッド・コークは1940年、石油精製の新たな手法を開発した後、後にコークとなる企業を創業した。1967年にフレッドが死去すると、息子のチャールズが経営を引き継ぎ、化学、パルプ・紙、パイプライン、ソフトウェアなどの分野に事業を広げた。ペーパータオルのBrawny、トイレットペーパーのAngel Soft、紙コップのDixieを手がける同社の売上高は1250億ドル(約19.88兆円)に上る。チャールズと、2019年に死去した弟デービッドの妻ジュリア・コークは、それぞれ同社の議決権の42%を握っている。
2. マース
○評価額:1210億ドル(約19.24兆円)○本社:バージニア州マクリーン○一族:バージニア州マクリーン
マースの歴史は、創業者のフランク・マースが、自宅の台所でキャンディを作り、販売を始めた1911年にさかのぼる。創業から115年で、M&M’sやMilky Way barsを生み出した同社は、ペットケアのWhiskasや食品ブランドのBen’s Originalなどへ事業を広げてきた。マースは昨年終盤、ケロッグから分離した競合企業Kellanovaを360億ドル(約5.72兆円)規模の取引で買収し、Cheez-It、Pop-Tarts、RxBarといったスナック食品ブランドを傘下に加えた。マース家は同社を100%保有している。
3. フィデリティ・インベストメンツ
○評価額:1070億ドル(約17.01兆円)○本社:マサチューセッツ州ボストン○一族:マサチューセッツ州ボストン
アビゲイル・ジョンソンは、ジョンソン家の3代目としてフィデリティ・インベストメンツを率いている。同社は世界最大級の金融サービス会社で、管理・保管する顧客資産は17兆9000億ドル(約2846.1兆円)に上る。1974年に顧客が電話で投資信託を購入できる仕組みを業界で初めて導入したフィデリティは、業界の先駆者でもある。2018年には、伝統的な金融機関としていち早く暗号資産プラットフォームを立ち上げた。エドワード・C・ジョンソン2世(1984年死去)が1946年に創業したフィデリティは、現在もジョンソン家が49%を保有し、残りの51%は従業員が保有している。
4. パブリックス
○評価額:631億ドル(約10.03兆円)○本社:フロリダ州レイクランド○一族:フロリダ州レイクランド
ジョージ・ジェンキンス(1996年死去)は1940年、フロリダ州ウィンターヘイブンにパブリックス・スーパーマーケットの1号店を開いた。2019年までジェンキンスの孫であるエド・クレンショーが会長を務めた同社は現在、米南部8州で1400店以上を展開している。フォーブスは、ジェンキンス家が現在もパブリックス株の20%を保有し、残りを現職および元従業員が保有していると推計している。
5. カーギル
○評価額:587億ドル(約9.33兆円)○本社:ミネソタ州ウェイザータ○一族:ミネソタ州ウェイザータ
売上高で米国最大の非上場企業であるカーギルの起源は、W・W・カーギルが1865年に取得した穀物倉庫にさかのぼる。ミネソタ州を拠点とする同社は、農業の枠を超えて成長し、商品取引、金融リスク管理、輸送などへ事業を広げてきた。フォーブスは、100人を超える一族のメンバーが、売上高1540億ドル(約24.49兆円)の同社の88%を共同で保有していると推計している。
6. チックフィレイ
○評価額:461億ドル(約7.33兆円)○本社:ジョージア州アトランタ○一族:ジョージア州アトランタ
S・トルエット・キャシー(2014年死去)は1967年、アトランタのショッピングモールにチックフィレイの1号店を開いた。現在、同社はキャシー家が100%を保有しており、トルエットの息子であるダンとババ、娘のトゥルーディ・キャシー・ホワイトが、それぞれ会長、社長、ブランドアンバサダーを務めている。長男のダンは2013年に父の後を継いでCEOに就任し、2021年までその職を務めた。息子のアンドリューが経営トップに就いた。売上高が103億ドル(約1.64兆円)の、このフライドチキンチェーンは、日曜日を定休日としている。昨年には英国とシンガポールに出店し、北米以外で初めて店舗を展開した。
7. コックス・エンタープライズ
○評価額:358億ドル(約5.69兆円)○本社:ジョージア州アトランタ○一族:ジョージア州アトランタ
コックス・エンタープライズの歴史は、ジェームズ・M・コックスが1898年にデイトン・デイリー・ニュースを買収したことに始まる。同社は新聞社の買収を重ね、ラジオやケーブルテレビ事業へと進出した。コックス家は現在も同社を100%保有しており、4代目にあたる会長兼CEOのアレックス・テイラーが、売上高231億ドル(約3.67兆円)の事業を率いている。テイラーの下で、コックスは最近、ケーブルテレビ部門のコックス・コミュニケーションズをチャーター・コミュニケーションズに売却することで合意した。この取引では、同部門の株式価値が219億ドル(約3.48兆円)と評価された。米連邦通信委員会(FCC)は2月にこの取引を承認したが、カリフォルニア州の規制当局はまだ承認していない。
8. SCジョンソン
○評価額:298億ドル(約4.74兆円)○本社:ウィスコンシン州ラシーン○一族:ウィスコンシン州ラシーン
サミュエル・カーティス・ジョンソン・シニア(1919年死去)は1886年、ウィスコンシン州の床材会社を買収した。独自の床用ワックスを開発し、中西部一帯で販売を始めた。ひ孫のサミュエル・カーティス・ジョンソン・ジュニア(2004年死去)は1967年に経営を引き継ぎ、Raid、Glade、Pledge、OFF!といった同社を代表するブランドを立ち上げた。また、家庭用品として広く使われるWindexとZiplocを買収した。現在はその息子で、5代目にあたる会長兼CEOのH・フィスク・ジョンソン3世が、売上高推計130億ドル(約2.07兆円)の同社を率いている。同社は現在もジョンソン家が100%保有している。
9. H-E-B
○評価額:274億ドル(約4.36兆円)○本社:テキサス州サンアントニオ○一族:テキサス州サンアントニオ
テキサス州で高い人気を誇る食品スーパーH-E-Bは、1905年にフローレンス・バットが60ドル(約9500円)を元手に創業した。孫のチャールズ・バットは8歳で食料品の袋詰め係として働き始め、1971年に会長兼CEOに就任した。チャールズは現在も会長を務めているが、2021年からは甥のハワードがCEOを務めている。バット家は、売上高496億ドル(約7.89兆円)の同社の87%を保有している。
10. レイエス・ホールディングス
○評価額:245億ドル(約3.9兆円)○本社:イリノイ州ローズモント○一族:イリノイ州ローズモント
1976年、ジュード・レイエスとクリストファー・レイエスの兄弟は、父ジョセフ(2021年死去)とともに、小規模なビール販売業者を74万ドル(約1億1800万円)で買収し、レイエス・ホールディングスを創業した。創業からの50年で、同社は食品卸のマーティン・ブラウワーやレイエス・コカ・コーラ・ボトリングを傘下に抱える企業へと成長した。現在、クリストファーとジュードは共同会長、兄弟のデュークはCEOを務め、ほかにも3人の兄弟が同社で働いている。売上高450億ドル(約7.16兆円)の同社は、レイエス家が100%保有している。
11. ハースト
○評価額:218億ドル(約3.47兆円)○本社:ニューヨーク州ニューヨーク○一族:ニューヨーク州ニューヨーク
現在は世界的な出版企業となったハーストの歴史は、ウィリアム・ランドルフ・ハースト(1951年死去)が1887年、サンフランシスコの新聞を引き継いだことに始まる。同社は現在、200の雑誌、80の新聞、35のテレビ局を抱えるだけでなく、金融サービス、ヘルスケア、航空ソフトウェアにも事業を広げている。信用格付け会社フィッチ・レーティングスを所有する同社の会長は、創業者の孫にあたるウィリアム・R・ハースト3世が務めている。フォーブスは、売上高135億ドル(約2.15兆円)の同社の100%を、ハースト家が保有していると推計している。
12. スタンダード・インダストリーズ
○評価額:217億ドル(約3.45兆円)○本社:ニューヨーク州ニューヨーク○一族:ニューヨーク州ニューヨーク
スタンダード・インダストリーズは、推定売上高107億ドル(約1.7兆円)の産業コングロマリットだ。傘下に屋根材メーカーのGAFとBMI、特殊化学品メーカーのW・R・グレース、投資部門のスタンダード・インベストメンツ、不動産会社のウィンター・プロパティーズを所有する。同社の歴史は1983年、企業買収家のサム・ヘイマン(2009年死去)がGAFをめぐる委任状争奪戦に勝利したことにさかのぼる。現在はヘイマンの娘婿であるデービッド・ミルストーンとデービッド・ウィンターが、それぞれ副会長とCEOを務めている。同社は、ミルストーン、ウィンター、ヘイマンの3家が100%保有している。


