北米

2026.05.22 08:30

米政府がIBMなど量子コンピューター関連9社に約3200億円出資、株価高騰

Davide Bonaldo/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

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トランプ政権によるハイテク企業などへの出資の動きが続く中、政府が量子コンピューター関連企業9社の株式を取得する見返りとして、総額20億ドル(約3180億円。1ドル=159円換算)の補助金を投じることが分かった。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が商務省の情報として最初に報じた。これにはIBMに対する10億ドル(約1590億円)の補助金も含まれる。

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老舗テック企業のIBMは本件で最大規模となる約10億ドル(約1590億円)の補助金を受け取る見込みだ。米国時間5月21日に発表されたプレスリリースによると、同社はこの補助金と10億ドルの自社資金により、米国内で量子コンピューター向けの専用半導体を製造するための受託製造工場を建設するという。

また、別の半導体メーカーであるグローバルファウンドリーズも、3億7500万ドル(約596億円)の補助金を受け取る見込みであることを同じく発表した。同社はこの資金によって量子コンピューター向けハードウェアの製造規模を拡大する。

WSJの報道によると、さらに少なくとも3社の量子コンピューター関連企業(Dウェーブ・クオンタム、リゲッティ・コンピューティング、インフレクション)が、それぞれ1億ドル(約159億円)ずつを受け取る見通しだ。

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加えて、新興のディラックも3800万ドル(約60億円)という比較的少額の補助金を受け取る見込みであることを発表している。

WSJによれば、これらの取引はまだ最終決定されておらず、商務省はフォーブスによるコメント要請に現在のところ応じていない。

この総額20億ドル(約3180億円)の補助金は、米国内の半導体製造への補助を目的として2022年にジョー・バイデン前大統領が署名した「CHIPSおよび科学法」を根拠に拠出される。現時点ではこれらの取引における株式取得の構造はほとんど明らかになっていない。DウェーブはWSJに対して補助金1億ドル(約159億円)の全額が株式投資として扱われると語り、リゲッティとインフレクションも同様としている。グローバルファウンドリーズはプレスリリースの中で、政府による株式取得は「別個の合意」であり、「現時点における約1%の所有権」に相当すると説明している。

市場はどう反応したか

このニュースを受けてIBMの株価は21日の取引で急騰し、東部夏時間の午前10時過ぎには4.6%以上値を上げた。グローバルファウンドリーズも約12%高と急騰している。その他の新興企業はさらに大きな跳ね上がりを見せ、Dウェーブが27%高、リゲッティが28%高、インフレクションは42%高という驚異的な急騰を記録した。

重要なテクノロジー企業などの株式を取得する米政府

2025年にトランプが再度大統領に就任して以来、連邦政府は重要なテクノロジー企業などの株式を取得するという異例の措置に踏み切った。同年7月には、国防総省がレアアース業界における中国の支配に対抗するため、レアアース採掘企業MPマテリアルズの株式を取得し、筆頭株主になると発表していた。その後、政府はこの戦略をハイテク企業にも拡大し、インテルの10%の株式を保有する第3位の大株主となった。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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