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2026.05.29 07:15

400年生きる深海サメのゲノム情報を解読。長寿の秘密の一端が明らかに

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北大西洋および北極海の深海に生息するニシオンデンザメは、地球上でもっとも長生きな脊椎動物として知られている。2016年に年齢が測定された個体は、392歳だとわかった。この個体が生まれたのは江戸時代初期。水戸光圀と同時代に生まれたと言えば、どれだけ長生きかわかるだろう。このたび、このニシオンデンザメのほぼすべてのゲノム情報が解読され、長寿に関連する遺伝子の特徴が判明した。

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東京大学、国立遺伝学研究所、総合研究大学院大学からなる研究グループは、ニシオンデンザメの高精度なDNA塩基配列情報(ゲノム情報)を世界で初めて解読した。ニシオンデンザメは個体数も少なく捕獲が困難であり、しかもゲノムサイズが巨大であることなどから断片的なゲノム情報しか得られていなかったのだが、ニシオンデンザメのフィールド調査を行っている日本、カナダ、ノルウェーの共同研究グループとの協力で皮膚の一部を採取することができ、高精度なゲノム情報の解読に成功したというわけだ。

リンカーヒストンタンパク質にみられるアミノ酸置換。生存に有利な遺伝子変異だ。
リンカーヒストンタンパク質にみられるアミノ酸置換。生存に有利な遺伝子変異だ。

この解読情報をもとに、他の軟骨魚類や哺乳類などを含む脊椎動物と比較解析を行ったところ、「クロマチン構造の安定化に関与するリンカーヒストンタンパク質において、正の選択を受けた特徴的なアミノ酸置換を検出」したということだ。早い話が、これによりゲノムの安定性が維持されているということ。

また、鉄貯蔵タンパク質フェリチンを構成する遺伝子のコピー数が非常に多いこともわかった。それにより、鉄依存性細胞死を招くフェロトーシスが抑制されている。フェロトーシスは、がんや炎症や神経変性疾患といった加齢によって引き起こされる疾患と深く関係するものだ。つまり、酸化ストレスや細胞障害が抑えられ、生体の恒常性が長期間維持されるとのこと。この2つが、ニシオンデンザメの極端な長寿を支えている可能性がある。

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この研究成果は、老化の進行を抑制する仕組み、加齢関連疾患の発症機構の理解につながり、「ヒトの健康寿命の延伸や老化関連疾患の予防と治療法開発に貢献する重要な知見となる」ことが期待されると研究グループは話している。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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