シリコンバレーと中西部を繋ぐ「再工業化」をテーマとしたマイクロVC
吉川:640 Oxfordは、ソフトウェアとリアル産業という異なるバックグラウンドを持つお2人によって設立されましたが、どのような経緯で設立に至ったのでしょうか?
アダム・ガーデンバーグ(以下、アダム):私はUberで約10年勤務し、新しい事業ラインを作るチームを率いていました。その経験から学んだのは、ソフトウェアが既存産業を大きく変える力です。ただ同時に気づいたこともありました。まだソフトウェア化されていない巨大産業がある。それが、製造、建設、物流、エネルギーといった分野です。
ブランドン:私は建設業界出身で、全国規模で商業施設の開発を行う事業の構築に参画してきました。
私たちはよく、伝統産業における新たなハードウェアとソフトウェアの融合は5倍の結果をもたらす、つまり「1+1=5」であると言っています。アダムはテクノロジー、私はリアル産業のバックグラウンドをもっています。その組み合わせが大きな価値になると考えています。
私たちは元々はミシガン大学時代の友人で、ファンド名の「640 Oxford」は当時住んでいた住所に由来しているんです。原点に立ち返るという意味で。
製造業界の400社を訪問して得た洞察
アダム:過去5年間で、私たちは製造業界に関わる400社を訪問しました。製造工場、物流企業、供給業者、流通業者、建設会社などです。
私たちはこれらの企業の経営陣に対し、実際のオペレーションのワークフローや、属人的な知識(いわゆるトライバルナレッジ)がどのように活用されているのか、そして最大のコストセンターがどこにあるのかについて聞き回りました。こうした現場視察を通じて、どの分野にイノベーションが必要なのか、ひいてはどこに投資すべきかを明確に把握することができました。
その上で、私たちは一つだけお願いをしました。
「もし御社のビジネスが抱える課題を解決する起業家がいた場合、ぜひ会っていただけますか?」
このプロセスを通じて、私たちはスタートアップと産業界をつなぐ「橋渡し役」となり、非常に強力な産業ネットワークを構築することができました。


