結びにかえて|「市場をつくる側」に回れるか
女性の健康が見過ごされてきた背景には、意思決定構造の偏りと、それに起因する課題の不可視性があった。そして各国の事例が示す通り、市場は自然に立ち上がるのではなく、課題の可視化、政策による制度化、資本の流入という段階を経て初めて成立する。
日本はいま、その最初の段階を抜けつつある。そして、重要なのは、「誰が先に動くか」ではなく、「どう接続するか」である。
政府がデータと制度の基盤を整備し、企業が人的資本投資として需要を顕在化させ、スタートアップがサービスとして具現化し、投資家がスケール資金を供給する。そして生活者がその循環に参加する。この一連の連動が生まれたとき、初めて市場は成立する。
欧米はすでにその構造をつくり始めている。一方、日本はまだ設計可能な段階にある。
女性の健康を「対応すべき課題」として扱うのではなく、「自ら設計する市場」として捉えれば、日本企業は単なる追随者ではなく、市場形成のプレイヤーになり得る。
今回紹介した記事「女性の健康:光を当てる」はBrunswick Review 2024に掲載されている。また、日本語の記事はBrunswickの東京のページに掲載した。ぜひ一読いただきたい。


