イーロン・マスク率いるスペースXは米国時間5月20日、米証券取引委員会(SEC)への届出書類で株式公開を行うことを明らかにした。数兆ドル(数十兆円)規模となる可能性があるこの動きにより、マスクは世界初の「トリリオネア」」、資産1兆ドル(約158兆円。1ドル=158円換算)超えの人物となる可能性がある。
複数の報道によると、スペースXのIPO時の企業価値は1兆7500億ドル(約276.5兆円)から2兆ドル(約316兆円)に達する可能性がある。これは、2019年にサウジアラムコが記録したIPO時の過去最高評価額1兆7000億ドル(約268.6兆円)を上回る。
届出書類によると、同社は年内に株式公開するが、クラスA株式の引き渡し時期について正確な日程は示されていない。
5月20日の届出書類によると、スペースXはナスダック市場にティッカーシンボル「SPCX」で上場する。株式はシュワブ、フィデリティ、ロビンフッド、SoFi、E*トレードなどの取引プラットフォームを通じて個人投資家にも提供されるという。
フォーブスの推計(5月20日時点)によると、マスクの純資産は8077億ドル(約127.61兆円)で、世界一の富豪として2位以下を大きく引き離している。グーグルのラリー・ペイジがマスクに次ぐ2位で、推定純資産は3160億ドル(約49.92兆円)だ。
報道によると、OpenAIも早ければ今週中にIPOを申請する見通しで、xAIの親会社であるマスクのスペースXとの直接対決の構図ができつつある。ただし、OpenAIが上場するのは9月になると見られている。OpenAIが目標に掲げる企業価値評価は約1兆ドル(約158兆円)とという。
スペースXの2025年の売上高は187億ドル(約2.95兆円)で、前年比33%増となった。一方、同社は2025年に49億ドル(約7742億円)超、2025年3月31日までの3カ月間に43億ドル(約6794億円)の損失を計上している。
設備投資額は2025年に200億ドル(約3.16兆円)超に急増し、前年の112億ドル(約1.76兆円)から大幅に増加した。
マスクの会社は人工知能(AI)開発に巨額を投じており、軌道上にデータセンターを設置する分野でリーダーとなることを目指している。マスクはこの取り組みについて「地球への影響を抑えながら、ほぼ無限の持続可能な電力」を提供できると主張している。
報道によると、グーグルはマスクの会社とロケット打ち上げ契約について協議しており、専門家が2030年代に実現する可能性があるとする軌道上データセンターへの参入を狙っている。
スペースXはまた、「Colossus」として知られるAIスーパーコンピューターの開発を続けており、最近ではAI競合企業のAnthropicがこの数十億ドル(数千億円)規模のマシンにアクセスできる契約を発表した。AnthropicスペースXと提携して軌道上データセンターを構築することに関心を示している。



