北米

2026.05.21 11:00

新体制の米FRB、利上げに傾く──トランプ指名のウォーシュ議長下

ケビン・ウォーシュ。ドナルド・トランプ大統領が連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名した(Tom Williams/CQ-Roll Call, Inc via Getty Images)

ケビン・ウォーシュ。ドナルド・トランプ大統領が連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長に指名した(Tom Williams/CQ-Roll Call, Inc via Getty Images)

米連邦準備制度理事会(FRB)当局者の過半数が、インフレーションが目標水準を上回ったままであれば利上げの可能性があると警告した。米国時間5月20日に公表された連邦公開市場委員会(FOMC)の4月会合議事要旨で明らかになった。ドナルド・トランプ大統領が指名したケビン・ウォーシュが議長を務める新たな政策決定機関は、利下げに消極的な姿勢を示している。

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FOMCは8対4で金利を3.5%から3.75%の間に据え置くことを決定したが、議事要旨によると、参加者の「過半数」が、インフレーションが中央銀行の目標である2%を上回り続けた場合、利上げが適切になる可能性があると強調した。

当局者の過半数は、インフレーションが2%を下回る水準に戻るまでに要する時間が、これまでの想定より長引く「リスクが高まっている」と述べた。

議事要旨によると、これに対処するため「多く」の参加者が、委員会の会合後声明から「緩和バイアス」を示唆する文言を削除することを希望すると述べた。これは、4人の反対票を投じたメンバーのうち3人が将来の利下げを示唆する文言に反対したことを受けたものである。なお、1回のFOMC会合でこれほど多くの反対票が出たのは1992年以来のことだ。

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FOMCは、イラン紛争が雇用とインフレーションに「重大な影響」を及ぼすと指摘した。「一部」の当局者は紛争が長期化すれば消費者物価の不安定化につながり得ることに懸念を示した。

CMEグループのFedWatchツールによると、市場はFRBの次の金利調整が利上げになるとの見方を強めている。6月の次回政策決定会合で金利が据え置かれる確率は圧倒的に高い(96.8%)が、利上げの確率は9月には25.3%、12月には50.4%、2027年3月までには66.1%に上昇する見込みだ。

トランプ、金利について「やりたいようにやらせる」と転換

トランプは5月19日、市場が利上げを見込む中でもウォーシュが利下げに動くのかと記者団に問われ、金利についてはウォーシュに「やりたいようにやらせる」と語った

これは、ウォーシュが利下げをしなければ失望するとそれ以前に述べていたトランプの発言からの転換である。トランプは、利下げが「遅すぎる」として前FRB議長ジェローム・パウエルに中央銀行を去るよう一貫して圧力をかけ、繰り返し批判してきた。

元FRB理事のウォーシュは、難航した指名プロセスを経て中央銀行のトップとしての任期を開始する。

パウエルは直近のFOMC会合後、任期を2年残す理事として留任すると述べ、「一定期間」は残ると示唆した。また、「この調査が完全に終結するまで」留まると述べた。これは、中央銀行本部の改修計画をめぐり司法省がパウエルとFRBに対して行っていた調査を指している。

パウエルは議長としての最後の演説で、FRBが「政治的影響から自由に」運営されることが「われわれの経済と、われわれが奉仕する人々にとって極めて重要」だと述べ、トランプ政権からの批判は「113年の歴史において前例のないもの」だと付け加えた。

司法省はその数日前にFRBとパウエルに対する調査を取り下げており、これによりウォーシュの上院での承認への道が開かれた。

forbes.com 原文

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