南海トラフ地震の広域リスク、企業のBCP策定に潜む「認識と行動のギャップ」

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対策が進まない理由として最も多く挙げられたのが「コストやリソースの制約」で49.7%に達した。これに「被害想定の不明確さ」が44.9%、「具体的な対策方法が分からない」が44.3%と僅差で続いている。自社がどの程度の被害を受けるのかを正確に見極められない平時の情報不足や、対策へ割く経営資源の限界が、企業の足を引っ張る要因となっている。

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こうした現状を踏まえ、企業が今後求める外部支援としては、「リアルタイムで災害や被害状況を把握できる情報サービス」が55.8%で最多となった。次いで「政府・自治体からの分かりやすい被害想定の発信」が53.1%を占めており、特に被害想定が分からずに対策が停滞している層では、情報へのニーズが63.9%まで跳ね上がる。

では、企業はこの高い壁を前にどう動くべきなのだろうか。専門家によると、南海トラフ地震は東日本大震災以上に広域な被害と経済的影響が想定されるため、サプライチェーン維持に向けた「拠点の冗長化」や「調達の複線化」が急務であるという。具体的には、自社拠点の複数化やOEMの活用、地域が異なる競合他社との協定締結などが有効な手段となる。さらに、設備自体の耐震補強や津波対策、代替電力の確保といったハード面の強化も欠かせない。

ただし、これらの対策を講じるには相応の投資が伴うため、投資対効果を見据えた高度な意思決定が求められる。来るべき大震災に対し、どこまで投資をしてどこまでリスクを受容するのか、最終的には経営者の強いリーダーシップと明確な意思決定が不可欠である。

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出典:JX通信社「南海トラフ地震に対する企業の防災意識と対策に関する調査」より

文=飯島範久

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