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2026.05.22 09:00

ゴールドマンサックスのAI懐疑論を覆す「見逃された数字」、トークン価格99%下落の衝撃

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トークン価格が過去3年のペースで下がり続けるなら、2027年に企業が回すAIワークロードのコストは、2025年の同等ワークロードのごく一部になる。昨年、コストを理由にAIプロジェクトを断念した企業は再検討する。現行価格でAIに成功した企業は、導入を桁違いに拡大する。安価な知能を前提にネイティブなアーキテクチャを構築する企業が、レガシー業務にAIを付け足した企業を駆逐する。そして、AI計算資源の総消費量は、単位コストの下落を上回って成長する。これは、半導体から帯域、クラウドに至るまで、過去の計算資源デフレサイクルで繰り返されてきた標準的な帰結である。

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これは現在のバリュエーションを擁護するものではない。AI関連企業の一部は、実現しないかもしれない結果を織り込んだ価格になっている。ゴールドマンが指摘する「S&P500の予想利益成長の60%がエヌビディアとマイクロンに集中している」という状況は、構造的に脆弱だという点で誤りではない。2社の遂行に依存する市場は、誤った値付けが手痛い打撃になり得る市場である。

ただし、「AI関連株のこの特定のバスケットは割高かもしれない」と「AIインフラの投資論そのものが崩れている」の間には、重要な違いがある。前者は銘柄選別の問題であり、後者は構造の問題だ。トークン価格のデータは、この構造的な読みを支持しない。知能の単位コストはなお下がっている。その下落が可能にするアプリケーションは、まだ構築されていない。安価な知能の使い方を見いだす企業こそが、ゴールドマンが「現時点で見えない」と懸念するリターンを生み出すことになる。

AIインフラ支出の持続から恩恵を受ける位置にいる企業、すなわち半導体メーカー、接続性の提供者、基盤モデルのラボ、クラウドプラットフォームは、今後10年でなお意味のある価値を取り込む可能性が高い。短期の設備投資減速に最もさらされているように見える企業が、長期のユニットエコノミクスに最もさらされている企業と必ずしも同一とは限らない。読者が真っ先に思い浮かべる例はエヌビディアだろう。同じ論理は、コア投入要素の単位コストが四半期ごとに下がることで総アドレス可能市場が拡大していく業界において、その「ピック(つるはし)&ショベル」を売るすべての企業に、より広く当てはまる。

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ゴールドマンの枠組みは支出については正しい。しかし、その次に何が起きるかについては誤っている。AI計算資源のアドレス可能市場が、単位あたりコストの下落を上回って拡大するとき、設備投資の問題は自己解決する。過去3年の軌道はそうだった。いまのところ、それが反転しそうだと示す特定のデータポイントはない。むしろ、それが加速しそうだと示すデータは大量にある。

懐疑派が言うとおり、現時点の企業ROIは弱い。だが懐疑派は、知能がほとんどゼロコストになったとき、企業ROIがどのような姿になるかを見落としている。

それこそが今四半期、すべての投資家の机上にあるべき問いであり、どれほど慎重に書かれていようと、ゴールドマンのノートが、データが実際に示す価格水準で向き合っていない問いでもある。

forbes.com 原文

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