くすぐったさは哺乳類の神経系に共通する特徴
どのような基準で測っても、ガルガレシスは、クニスメシスよりもはるかに奇妙で複雑であり、科学ではほとんど説明できていない現象だ。しかし幸いなことに、神経科学は、主にラットを用いた研究を通じて、不完全ながらも確かな進展を遂げてきた。
その先駆けとなったのが、2016年に『Science』に掲載された研究論文だ。研究者らは、ラットが人間にくすぐられた際、大脳皮質の「体性感覚皮質」にある体幹領域の深層にあるニューロンが激しく発火することを明らかにした。
しかしさらに注目すべきは、ラットが「くすぐり」を我慢したというより、むしろそれを求めていたことだ。研究者たちが「フロイデンシュプルング(歓喜のジャンプ)」と呼ぶ跳躍行動を示し、もっとくすぐってもらおうとして、実験者の手元に戻ってきたのだ。
重要なのは、くすぐられた際に発火したのと同じ皮質ニューロンが、遊びの行動中にも発火していたことから、この二つの行動のあいだに深い神経学的関連があることが示唆されたことだ。また、ラットが不安を感じると、このシステム全体が停止してしまうことが観察された(これは、人間が経験的にすぐに共鳴できる発見だ)。ラットをストレスの多い、照度の高い環境に置くと、ニューロンの活動が静まり、笑い声が止み、くすぐってももはや反応しなくなってしまうのだ。
その後、2023年に『Neuron』に掲載された研究論文において、研究者らはその神経回路をさらに深く追跡し、中脳にある神経細胞の集合体「中脳水道周囲灰白質(PAG:Periaqueductal gray)」にまで至った。PAGは、痛み、生存に関連する発声、および基本的な感情処理に関与する中脳の構造だ。
研究者らは、PAGを遮断すると、くすぐったさや遊びの行動が完全に消失することを発見した。特に、PAGの外側柱(縦方向の機能的区分)は、くすぐられたり遊んだりしている際には活発に活動していたが、不安な状況下では活動が停止していた。
ここは、脳の中に古くから存在する領域だ。この領域が関与していることは、くすぐったさが、哺乳類の神経系に共通する特徴であり、ネズミや類人猿、そしておそらく他の多くの種とも共有されていることを示している。
2023年の研究から得られたもう一つの重要な発見は、なぜ人は自分自身をくすぐることができないのか、という点に関するものだった。脳からの命令で体が動く時、同時に「遠心性コピー(efference copy)」と呼ばれるものが作られる。遠心性コピーとは、その運動によって生じる感覚がどういうものになるかについての内部予測だ。
脳は、この予測を利用して、入ってくる感覚信号を抑制、つまり「麻痺」させる。自分自身への接触は完全に予測できるため、完全に打ち消される。一方、他者からの接触は予測できないため、そのまま脳に伝わる。
このメカニズムは「感覚減弱(sensory attenuation)」として知られ、感覚運動神経科学の分野では広く確立されている理論だ。これは、幻覚や「させられ体験(passivity experiences)」を抱える患者――つまり、自分の行動が自分の意志ではなく、外部の力によって引き起こされていると感じる患者――が、自分で自分を触る行為を、他者からの接触とほぼ同じくらいくすぐったく感じる理由を説明している。


