「日本人の漫画家やゲームクリエーター、VTuberも、すべては芸事だと思っています。その芸事を世界に届けていくことこそが、日本人起業家としての勝ち残れる道」と語る大湯は、複数回の起業経験者。今回の日本を代表する金融機関による支援で、「日本文化の発信に向けて背中を押していただいた気持ち」という期待を受け、世界市場に打って出る。

「私はVTuberを現代の人形浄瑠璃だと思っています。人形浄瑠璃で黒子の存在を指摘する観客がいないように、VTuberも“中の人”について考えられているのではなく、キャラクターそのものとして楽しまれています。これは芸事として通底していることで、だからこそVTuberがアメリカや中国で盛り上がりを見せるなかでも、日本がリードできていると言えます」
『Avvy』では、スマホ1台・基本無料で高品質なアバター作成から配信まで完結可能。従来のVTuber活動で必要だったイラストやモデリングの制作、配信機材の準備などへの数十万円規模という初期投資のハードルを引き下げ、誰もが創作活動を通じて生きていける世界を目指している。また、世界中のアニメファンが求めるような、日本のアニメ調での2Dアバターを作成できる点も特徴だ。
この唯一無二と言える強みは、AnotherBall社が重視する姿勢によって実現。大湯は、「プログラミングの工程ではAIファーストですが、イラストは人の手によって描いています。私たちとしても、“匠の技とテクノロジーの融合”をしていくことが大事だと考えています」と明かす。
国内では直近4年間で4倍の急成長を遂げ、2025年度には1260億円の市場規模を記録したとされているVTuber市場。
「日本文化が好きな身としては、日本の力とともに、芸事も失われていくとしたら非常に残念。世界において日本が存在感を失ってしまう危機感を持つなかで、戦えるかもしれないと感じさせるのがVTuberのカルチャーです」
「オールジャパン体制」での支援を受け、拡大を続ける急成長市場で日本文化を海外に届ける。その壮大な世界観は、日本発文化の可能性を信じる大湯の“妄想力”の実現にかかっている。


