サイエンス

2026.06.07 18:00

人類の脳が巨大化した理由は「肉食」にあり。150万年前の化石が示す真実

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人類の祖先の食事パターンは、食生活の正解というわけではない。祖先が狩りをしていた更新世(約258万年前から約1万1700年前)の大型動物は、ほぼ絶滅した。現代人の食料供給や活動レベル、疾患を巡る環境、寿命、人口密度は、石器時代の祖先が遭遇していたものとは根本的に異なっている。進化とは、ある特定の環境における繁殖成功を目指して最適化するのだ(現代のような環境で長生きすることではなく)。

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さらに、別の角度から意見を述べる疫学文献も存在する。世界保健機関 (WHO) のがん専門機関、国際がん研究機関 (IARC)の依頼を受けて、2015年に『The Lancet Oncology』で発表されたメタ分析では、加工肉を「人に対して発がん性がある」グループ1に、赤身肉を「人に対しておそらく発がん性がある」グループ2に分類した。

こうした分類は、単純なものではない(食べる量が非常に重要となる)。しかしいずれにせよ、現代人が消費する肉類の大半を占めている「工業生産された肉」は、祖先が口にしていたものとはかなり異なっている──人類の祖先の消化器官が、どのような食物に適応していたとしてもだ。

エビデンスを総合すると、次のように言えるだろう。人類は、より古い、草食の霊長類が残した遺産を土台に、過去200万年間で、明らかに肉食に適応してきた、代謝的に柔軟な雑食性の動物である、と。

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われわれ人類は、絶対的な肉食動物でもなければ、生まれながらの草食動物でもない。むしろ、生態学的に見て、より興味深い存在だ。その進化的な成功は、まさに食生活の多様性と順応性にあり、身近な環境で得られる食物なら何であろうが組み合わせ、適切な栄養を得る、という能力の上に成り立つ種と言える。

この柔軟性こそが、人類の解剖学から明らかになった、最も重要な点と言っていいだろう。「何を食べなくてはならないか」ではなく、「何を食べられるか」なのだ。

一方、現代に生きるわれわれは、何を食べるべきなのだろうか――この問いについては、健康や生態系、倫理、地球を考慮した上で、祖先が持たなかった道具を使いながら、私たち自身が答えを導き出さなくてはならない。骨、遺伝子、胃酸は、多くの手がかりを与えてくれる。だからといって、それらによって私たちの食べるものが決まるわけではないのだ。

forbes.com 原文

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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