資産運用

2026.05.27 18:15

バフェットやソロスら偉大な投資家たちに共通する『納得の習慣』

Forbes JAPAN 2026年7月号は「世界のビリオネアランキング」特集。史上初の「1兆ドル長者」に迫るイーロン・マスクをはじめとした億万長者たちの2026年版最新リストを公開する。表紙を飾るU-NEXT HOLDINGS代表取締役社長CEO・宇野康秀を成功に導いた「アイデアノート」や、孫正義、柳井正ら日本のビリオネアが実践するノート活用術を紹介。さらにウォーレン・バフェットら偉大な投資家たちの習慣など、富を築く者たちの哲学とルーティンを紐解く。

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伝説的投資家3人と直接仕事をした日本人が語る、ピーター・リンチ、ジョージ・ソロス、ウォーレン・バフェットに共通する「凡事徹底」の哲学。


「イングランド銀行を潰した男」ジョージ・ソロス。「マゼラン・ファンドの資産を13年で700倍にした」ピーター・リンチ。「オマハの賢人」ウォーレン・バフェット。

──いずれも現代を代表する伝説的な投資家であり、ビリオネアである。この3人すべてと直接会い、仕事をともにした恐らく唯一の日本人がいる。投資顧問会社「スパークス・グループ」代表の阿部修平である。 彼が見た3人の姿から、富を築く者の習性と習慣を見ていきたい。

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リンチが語ったバリュー投資の真髄

大学卒業後、米国でMBAを取得した阿部は、1981年に野村総合研究所に入社。翌年、同社の米国法人に出向するかたちでニューヨークに赴任し、日本株アナリストとして機関投資家向けのセールス業務に従事することになった。そこで出会ったのが、フィデリティ・インベストメンツの敏腕ファンドマネジャーとして頭角を現していたピーター・リンチである。

「彼は野村にとって重要な顧客のひとりでした。とにかく頭の回転が速く、考えていることがそのまま言葉として迸るような、ものすごい早口が印象的でした。会議でも出席者に要点を端的に話すことを求めて、ストップウォッチで発言時間を管理していたそうです」

そのリンチに、阿部はなぜか気に入られた。ボストンのオフィスを阿部が訪ねると、リンチはホワイトボードを使いながら、阿部に投資に関する講義を行ったという。「僕は彼から直々に『バリュー投資』を学んだんです」

バリュー投資とは「本来の企業価値に対して株価が割安な株を見つけ、その価格裁定の過程で利益を得る投資手法」である。そのため、公開されている企業のバランスシートや保有財産など「わかること」を徹底的に調査するのがこの手法の特徴だが、リンチはそこに独自のアレンジを加えていたという。

「一言でいえばノーマライズ(平準化)という発想です。企業業績には一時的な上下のブレがありますが、市場はしばしばその『異常値』に引きずられる。リンチはそれを排し、過去に遡って“ノーマル(本来あるべき水準)”を見極める。その平準化された価値と現在の株価のギャップを探ることを徹底していたのです」

ピーター・リンチ|元フィデリティ・インベストメンツ マゼラン・ファンド ファンドマネジャー

生年月日:1944年1月19日
投資哲学:自分が知っているものに投資する。
投資実績:1977年から90年にかけてフィデリティ・マゼラン・ファンドを運用。年平均利回り29.2%という驚異的な成績でS&P500指数の2倍以上のリターンを13年間にわたりたたきだし、世界最大の投資信託のひとつに成長させた。秘訣は、時系列的に見て株価収益率が低い株式を狙い、急成長企業を避けて市場予測を無視すること。90年にそれまで13年連続で市場を上回ってきた業績が、4.5%のマイナスで終わりを告げた後、引退した。

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文=伊藤秀倫 イラストレーション=フィリップ・ペライク

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