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2026.05.21 13:00

エヌビディア優位に挑むAI企業Zyphra、5億ドル調達へ AMD出資

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米国のAIモデル開発企業Zyphraは、半導体メーカーAMDからの出資確約を含む新たな資金調達ラウンドで、5億ドル(約794億円)を調達している。事情に詳しい関係者がForbesに明らかにした。複数の関係者によると、同社の企業価値評価は少なくとも50億ドル(約7940億円)になるという。

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AMDはコメントの要請に応じず、Zyphraはコメントを控えた。

サンフランシスコを拠点とするZyphraは、高度なオープンウェイト型のAIモデルを開発し、クラウドインフラサービスも提供している。オープンウェイト型とは、AIモデルの重み、すなわち内部パラメータを公開する方式を指す。多くのAI企業が依然としてエヌビディア製チップを標準的な選択肢としているなか、Zyphraは自社モデルの学習と推論処理をすべてAMD製ハードウェア上で行っていると説明する。同社はこれを、コスト面とサプライチェーン面の双方での強みとして打ち出している。

ここ数カ月、投資家の間では、DeepSeekに対抗する米国発の選択肢となる企業に資金を投じる動きが強まっている。その一例が、Zyphraの競合であるReflection AIだ。同社は250億ドル(約3兆9700億円)の企業価値評価で協議中だと報じられている。

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Zyphraには二つの事業の柱がある。一つは研究所部門で、これまでに約12種類のオープンウェイトモデルを公開してきた。その中には、脳波活動を解読するために設計されたモデルや、Zaya(ザヤ)という名称の高度な推論モデル群が含まれる。もう一つの事業であるZyphra Cloudは「ネオクラウド」と呼ばれるクラウドサービスで、高度なオープンウェイト型のAIモデルの実行とホスティングに特化している。これらはすべてAMD製ハードウェア上で動作する。同社は投資家に対し、Zyphra CloudがAnthropic、メタ、OpenAIのような、計算資源の不足に直面している主要なフロンティアAI開発企業(研究所)に計算能力を提供すると説明している。

PitchBookによると、このスタートアップは昨年、10億ドル(約1590億円)の企業価値評価で1億1000万ドル(約175億円)を調達している。このラウンドには、スティーブ・ジャーベットソンのFuture Ventures、Skype創業者のヤーン・タリン、Bison Venturesなどが投資家として参加した。

生成AIのブームにより、計算能力すなわち「コンピュート」は企業の成長を阻む最大のボトルネックになっている。ボトルネックはチップだけではない。電力、データセンターのスペース、そしてサプライチェーンの遅れも問題だ。AI専用チップは製造に長い時間がかかるため、AIモデル開発企業は重要なプロセッサーを入手するまで長い順番待ちを強いられている。

ここ数年、AI企業はインフラの多様化を進めてきた。OpenAIは、AMDのようなエヌビディア以外の選択肢を利用する一方で、自社専用半導体の開発も進めている。Anthropicも多様化戦略を採っており、アマゾンのTrainiumチップやグーグルのTPUを利用しているほか、AMD製チップの活用も計画していると報じられている。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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