現地時間5月19日、インフレや財政政策に対する懸念により米国の長期国債利回りが2007年の世界金融危機以来の高水準に達した。一部のアナリストは米国債の売りがさらに加速すると予測している。
19日朝の時点で、米30年債の利回りは5.19%をわずかに上回り、2007年6月以来の高水準を記録した。また、住宅ローンや自動車ローン、クレジットカードの金利指標となる10年債の利回りも4.68%に上昇し、2025年1月以来の高水準となっている。
バンク・オブ・アメリカが19日に発表した世界のヘッジファンドマネージャーを対象とした調査によると、30年債の利回りが2007年当時の記録と並ぶ6%に達すると予想する回答者の割合は62%だった。また、回答者の40%がインフレのさらなる急進を予測した。
バークレイズのリサーチ部門でグローバル・チェアマンを務めるアジャイ・ラジャデャクシャは18日に公表したリポートの中で、米国の債務は経済成長を上回るペースで増加しており、インフレは高止まりするか変動が激しくなると予想した。さらに「財政改革に向けた政治的な意思が見られない」とし、投資家が長期債を購入する意欲を失っていると述べた。
BNPパリバの米国金利戦略責任者であるグニート・ディングラはロイターの取材に対し、30年債の利回りが5%の節目を超えたことで、想定されていた上値の目安が消滅したと語った。「指針を失った今、高インフレ、膨らみ続ける財政赤字、そして世界的な債券利回りの上昇圧力が渦巻く世界で、国債利回りのさらなる上昇を止めるものは何もない」
この金利上昇は19日の株式市場の重荷となり、執筆時点のダウ平均は前日比でおよそ121ドル(0.2%)下落している。また、S&P500は0.7%安、ナスダックは1.2%安となった。
米財務省によると、5月15日時点における同国の債務残高は38兆9000億ドル(約6190兆円)にのぼり、過去1年間で2兆7000億ドル(約429兆円)増加した。



