同社は最先端のレーダー画像と予測AIツールを組み合わせて接近する軌道上の脅威をモデル化し、高確率の衝突が迫っていることを衛星運用者や他の宇宙関係者に通知している。
しかしマクナイトは、現在世界の宇宙産業にとって最大の脅威は、「長寿命軌道」に投棄された使用済み上段ロケットだと語る。
こうした幽霊のような宇宙船のうち2つが衝突すれば、最終的に連鎖的な衝突を引き起こす可能性があると彼は言う。
マクナイトによると、人類とロボットによる宇宙探査の未来を脅かす巨大な廃棄宇宙船の圧倒的多数は、3つの宇宙超大国によるものだという。
「過去2年間で、中国は高度650km以上の軌道に37基のロケット本体、合計約156トンを放棄した」と彼は言う。「これらは数十年から数世紀にわたって軌道に留まる」
かつての米ソ冷戦時代、ソ連と米国は日常的に使用済み上段ロケットを軌道に投棄し、この宇宙の障害物コースを撤去する合意を結ぶことはなかったと、彼は以前のインタビューで語っている。
マクナイトが主導した「低軌道における長寿命ロケット本体の質量蓄積(Long-Lived Rocket Body Mass Accumulation in LEO)」と題する研究では、宇宙開発競争の開始以来、世界の競合する宇宙大国が地球上空に放置してきたすべてのロケットがリアルタイムで追跡され、LeoLabsの「軌道活動のライブマップ」で可視化されていると述べている。
平均高度615km以上のロケット本体の上位3カ国が、いまだ地球を周回する制御不能なロケットの9割以上を占めていると彼は語った。
LeoLabsのデータによると、この高度で投棄されたロケットのトップはロシアで、最終的に世界中の宇宙探査者を脅かす可能性のある512基(インタビュー時点、以下同)の制御不能な宇宙船がある。米国は242基で2位、中国は使用済み上段ロケット135基で3位だった。
壊滅的事態の可能性は急上昇している。
低軌道、特により高い高度で衝突や爆発が発生するたびに、さらなる衝突のリスクが高まるとマクナイトは警告する。発生したデブリは数十年、さらには数世紀にわたって軌道から除去されないからだ。
そして現時点で、これらの宇宙大国のいずれも、放棄された"ゴーストロケット“とドッキングしてポイント・ネモ(南太平洋の到達不能極)などの遠隔海域に誘導・落下させることで制御不能な大気圏再突入による人命への脅威を排除するよう設計された実験的な新型宇宙船を就役させていない。
これらの巨大な廃棄宇宙船のうち2つが衝突すれば、壊滅的な結果をもたらす可能性があるとマクナイトは言う。数百kmにわたって破片が拡散し、何世代にもわたって宇宙カプセルや衛星にリスクをもたらすことになる。
「衝突リスクを管理できない巨大な物体の放棄について、我々は考えるべきだ」とマクナイトは警告する。


