同時に、ハーレーは「追跡は最初の層に過ぎない」と指摘する。
「より難しい問題は、システムが正確な軌道情報を維持し、膨大な数の接近の可能性を処理し、タイムリーな警告を配信し、運用者から更新された軌道変更計画を受け取り、それらの軌道変更を調整できるかどうか。そして、人工衛星が故障したり運用者間で意見が対立したり、データが不完全だったり、地政学的関係が悪化したりしている状況でもそれらすべて実行できるかどうかだ」
「現在のシステムは、100万基の軌道変更能力を持つ物体に加えてデブリや機能停止した宇宙船、敵対的または非協力的な行動を想定して設計されていない」と彼は言う。
「最近ようやく、一部の国家宇宙機関や民間企業は、機能停止した人工衛星やロケットから切り離された部材を検査・捕捉して軌道から離脱させる技術の実証を始めたところだ。だが、その一方で、他の運用者は機能停止した宇宙船や上段ロケットを軌道に放置し続けている」
LeoLabsは、人工衛星や探査機の周回軌道を地図上に可視化する世界有数の技術を持つ。だが、同社のシニア・テクニカル・フェローであるダレン・マクナイト(Darren McKnight)は地球周回軌道を高速で通過する100万基以上の宇宙船を追跡できるように同社の宇宙監視システムを拡張するのに「どれくらいの時間がかかるか予測するのは難しい」と語る。
マクナイト博士はインタビューでこう語った。「我々のシステムは迅速にスケールアップできるよう構築されており、過去数年間で運用衛星の数が5倍に増えたときも十分に対応してきた」
コロラド大学で航空宇宙工学の博士号を取得し、宇宙デブリとその壊滅的な衝突を引き起こす可能性に関する画期的な論文を多数執筆してきたマクナイトは、「低軌道に100万基の運用衛星が存在する事態は起こり得ないだろう」と語る。
「もし実現するとしても、その段階に到達するまでには緩やかなプロセスを経ることになるだろう」と彼は予測する。
「時間の経過とともに、宇宙船の信頼性は徐々に低下し、衝突リスクを軽減するための運用負担は指数関数的に増加する可能性が高い(つまり、リスクは直線的ではなく、2乗に比例して指数関数的に増大する)」
「このリスク増大に伴い、他の技術も進化し、我々も迅速な接近解析結果を提供し続けるためにより多くのレーダーを設置することになるだろう」
マクナイトは、シリコンバレーに拠点を置くLeoLabsのデータ分析チームを率いている。同社はフェーズドアレイレーダーのグローバルネットワークを運用し、低軌道を走査しながら、廃棄されたロケットから対衛星ミサイル実験で生じたデブリの雲まで、地球を周回する数万個の物体を追跡している。


