投資であれ健康管理であれ、「早期発見」は最も賢い行動のひとつだいうのが筆者の持論である。
そういうわけで最近、米プレヌーボ(Prenuvo)の全身MRI(磁気共鳴画像装置)診断と、米グレイル(GRAIL)の多がん種血液検査「Galleri(ガレリ)」を受けることにした。
それはまさに目から鱗が落ちるような体験だった。プレヌーボのサービスでは、AIで強化された画像診断を用いて、1時間足らずで全身を検査してもらった。放射線を被ばくする必要もなければ、針を刺されることもなかった。Galleriのほうは、がんの何らかの症状が表れる前にがん細胞が血流中に残す特有の分子的痕跡(フィンガープリント)を調べてくれるものだ。
これら2つの検査は予防医療の新たなフロンティアを開拓するものであり、従来の方法よりも何年も早い段階で数十種類のがんを検出できる可能性がある。
あまりに感銘を受けたもので、先日、米フロリダ州ボカラトンでの「ワイス投資サミット」で行ったプレゼンテーションでも、これらの検査に触れさせてもらった。参加者からは健康面の効果だけでなく、こうした技術に関連した投資機会についてもたくさんの質問をいただいた。
米国はほかの先進国よりも医療費が高く寿命は短い
読者もご存じかと思うが、米国の医療費はけっして安くない。2024年の全米医療支出は前年比7.2%増の5兆3000億ドル(現在の為替レートで約842兆円)という途方もない額に達し、国内総生産(GDP)のおよそ18%を占めた。米国は同等の先進諸国に比べて1人あたりの医療費が2倍近くかかるにもかかわらず、平均寿命は79歳と同等の国々の平均を4年近くも下回っている。
米国人は、より多く支払い、より少ないものしか得られていないということだ。
問題の一因は、米国の医療制度がどうしようもなく「事後対応的」なものになっているという点にある。国民が病気になってからようやく介入するのだ。しかしデータが示しているのは、病気の早期発見は治療に有利なだけでなく、費用も大幅に抑えられるということだ。



