ロイターの報道によると、オンラインファストファッション大手のShein(シーイン)が、サステナビリティを理念に掲げるアパレルブランド「Everlane(エバーレーン)」を1億ドル(約159億円)で買収する見通しだという。
両社からの正式発表はまだないものの、ブルームバーグの報道によれば、筆頭株主であるLキャタルトンの取締役会が先週、5月16日に売却を承認しており、実現の可能性は極めて高い。LVMHとベルナール・アルノー一族の持株会社が出資する消費財特化型プライベートエクイティファンドである同社は、2020年に8500万ドル(約135億円)の資金調達ラウンドを主導し、エバーレーンの株式を取得した。当時、このアパレルブランドは人気のピークにあり、企業価値は約6億ドルと評価されていた。
エバーレーンとシーイン、皮肉な同盟
エバーレーンは創業以来、倫理的な事業慣行、プレミアム品質、徹底した透明性を理念に掲げるミッション主導型の企業だった。同社のウェブサイトには「私たちはファッション業界を浄化するというミッションを掲げています。これは『Cleaner Fashion』と呼ぶムーブメントです」と記されている。ブランドは工場の所在地や生産コストを公開し、中間業者を排除することで適正価格を実現していると主張し、日常使いのベーシックアイテムを洗練されたワードローブの定番としてデザインしてきた。
したがって、シーインとのシナジーは見つけにくいどころか、真に正当化することは不可能だ。背景として、エバーレーンは2010年代後半にカルト的な人気を獲得したものの、コロナ禍以降は人気と業績が年々緩やかに後退していったようだ。コスト上昇に苦しみ、競争環境はより厳しくなり、倫理的消費に対する消費者行動が、買い物客が重視すると語るほど明確ではないため、文化的な存在感もいくらか失った。
2024年、アルフレッド・チャンがCEOに就任し、「クリーン・ラグジュアリー」へのリポジショニングを主導したが、ブランドの人気回復には至らなかった。エバーレーンは事業再構築を迫られ、ゴードン・ブラザーズから2500万ドル(約39億7000万円)の融資と6500万ドル(約103億円)の資産担保型リボルビング与信枠を受けることになり、徹底した透明性よりも利益率と収益性が突如として重要になった。シーインへの株式売却はその証左である。
業界改善を使命とする倫理的ファッションブランドとして、エバーレーン(およびそのCEO)は、世界で最も環境負荷の高いファストファッション企業の1社(あるいはその筆頭)と手を組むことで、これまでの倫理的なブランド理念に自ら背を向けるものだと言わざるを得ない。



