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2026.05.19 07:30

スペースXのIPO詳細が今週中にも公開、大きなリスクを伴う「マスク効果」を警告する声も

Johannes Neudecker/picture alliance via Getty Images

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スペースXの新規株式公開(IPO)の詳細が今週にも明らかになる見通しだ。この株式公開によってイーロン・マスクは世界初の「トリリオネア(資産1兆ドル超の富豪)」になるとの見方が強い。しかし、あるアナリストは、同社株が「重大な」下落リスクに直面しており、上場後の株価は激しく乱高下する可能性があると警告している。

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ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が関係者の話として報じたところによると、4月にIPO申請を行ったとされるスペースXは、6月12日にナスダック市場へ上場すると見られている。今週中にも申請書類が公開され、同社の事業運営や財務状況の内実が明らかになる見込みだ。

一方でスペースXの株式上場をめぐっては懸念の声もある。ピッチブックでアナリストを務めるフランコ・グランダは3月、スペースXの株価は「ステロイドを投与された」テスラのような値動きを見せる可能性があると指摘した。

フロリダ大学のファイナンス学教授であり、同大の市場調査プログラム「IPOイニシアチブ」のディレクターも務めるジェイ・リッターは、フォーブスに対し、「イーロン・マスク効果」がスペースXの株価を大きく左右する可能性が高いと語る。マスクに関連する銘柄は市場全体よりもはるかに大きく変動する傾向があるため、この効果はIPOへの需要を押し上げる一方で、長期的な高いボラティリティをもたらすことになるという。

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リッターは、テスラとスペースXはいずれも値動きの激しい銘柄になるとしながらも、両社が迎える結末は「まったく異なるものになる」と指摘する。テスラが中国企業との激しい競争に直面しているのに対し、スペースXに対する投資家の楽観論は、競合よりも安価に人工衛星や物資を宇宙空間に送り届けることができるという同社の圧倒的な優位性に支えられているからだ。

その一方で、スペースXが1兆5000億ドル(約237兆円。1ドル=158円換算)以上の評価額で株式を公開する場合には「重大な下落リスク」が存在するとリッターは語る。その一因は、他の株主を圧倒するほど多くの議決権がマスクに与えられることにある。「たとえスターリンクが(スペースXに)年間数百億ドルの利益をもたらしたとしても、それが株主に還元されることはなく、火星に人類を送り込む計画のために浪費されてしまうかもしれない」

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翻訳=江津拓哉

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