「スーパームーンの新月」を経て、夜空は再びにぎやかさを取り戻す。その最初の一歩が、宵の空で繰り広げられる優美な共演だ。日没後、西の空に戻ってきた細い月が、夜空で最も明るい2つの惑星、金星と木星のそばを二晩かけて通過する。肉眼で楽しめる天体観察として今月指折りの目を引く光景となる。
週の前半はまだ月明かりを気にしないでよいので、ぜひ暗くなったら外へ出て頭上を眺めてほしい。5月19日からの1週間の夜空の見どころを紹介しよう。
5月19日(火):宵の明星と三日月が接近
日没後すぐに西の低空を見ると、月齢3の華奢な三日月が浮かんでいる。まもなく三日月のほぼ真下に、輝く「宵の明星」の金星が一番星として姿を現すだろう。この共演は2時間余りの間しか見られず、西の方角の視界が開けている必要があるが、今月最も美しい光景のひとつだ。
5月20日(水):細い月と木星が接近
前日よりやや太くなった月齢4の月は、高度を少し上げ、木星の右隣に並ぶ。すぐ上にはふたご座の明るい「兄弟星」ポルックスとカストルが仲よく光っている。
5月21日(木):細い月、木星、金星が一列に
月齢5となった月は木星を追い越し、左上方に輝く。金星は地平線近くに残り、日没後の西の空で3つの明るい天体がほぼ一直線に列をなす。
5月23日(土):上弦の月とレグルスが大接近
月は夜ごと明るさを増しながら、惑星たちを置き去りにして東へ移動していく。月が明るくなるほど星空観察は難しくなっていくが、今宵は上弦の月が夕方から深夜にかけて、しし座の1等星レグルスと大接近する。(編集部注:日中にはレグルス食が起こる)
金星と木星は今後も要注目
今週の金星・木星と月の共演は、今年最も印象的な惑星の会合のプロローグといえる。夕闇の迫る空に輝く金星と木星は、夜を迎えるたびに互いの距離を縮めていく。
2つの惑星のうち、より明るい金星はマイナス3.9等の輝きを放ち、日没直後に西の低空に現れる。木星の明るさはマイナス1.9等で、金星の上方に光っている。
夜ごとに両天体の距離が狭まっていく様子を見守ろう。ゆっくりとした接近は、6月9日の「合」でクライマックスを迎える。毎晩2つの天体の距離の変化を観察すると、太陽系における惑星の動きを実感できるだろう。
今週の星座:うしかい座
辺りが暗くなった頃に東の空を支配するうしかい座は、晩春を代表する主な星座のひとつ。最も明るい星である1等星アルクトゥルス(アークトゥルス)は温かみのあるオレンジ色の光が特徴で、夜空ですぐに見つけられる。北斗七星が近くにあるので「ひしゃくの柄」を手掛かりにすると探しやすい。
うしかい座の星たちは、アルクトゥルスから向かって左側に凧のような形に並んでいる(編集部注:日本ではネクタイの形にたとえられることもある)。昔の人はこれを牛の群れを追う牧夫の姿になぞらえたが、その真価は春の星空の「道しるべ」としての役割にある。
これからの夜空の見どころ
月末31日の日没直後に、今月2回目の満月「ブルームーン」が昇る。地平線から顔を出した瞬間の大きくオレンジ色に輝く姿を堪能しよう。米ニューヨークではこの日、碁盤の目状の大通りに一直線に沿って太陽が沈む「マンハッタンヘンジ」が見られる。
6月に入ると金星と木星の距離はいっそう縮まり、6月8日から10日にかけて大接近する。



